人工の居場所と自然の居場所とを比較して、何が自然らしさを与えるかと考えてみると、人工の居場所では多様な生きものが人工的な「垣根」によって分けられて存在しているのに、自然では入り交じって共存在していることがわかります。
多様な生きものが入り交じって共存在するときには、それぞれが〈いのち〉という原点に回帰して生きていく形を共創していると、私は考えています。
それはどういうことかと言うと、一つの種の生きものが死ぬときに、その生きものがもっていた〈いのち〉を、他の種の生きものが受け継いで、地球とい
う〈いのち〉の居場所に〈いのち〉を持続していくと
いうことです。このように種を越えて〈いのち〉を循
環的にリレーしていく形ができなければ、〈いのち〉
の居場所から〈いのち〉が消えてしまいます。
2015.1.29