□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━
場の研究所 定例勉強会のご案内
□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━
ホームページ:http://www.banokenkyujo.org/
------------------------------------------------------------
「〈いのち〉を居場所に与贈して〈いのち〉の与贈循環を生み出そう」
〈いのち〉とは「存在を続けようとする能動的な活き」である。
(清水博)
------------------------------------------------------------
2017年最初のメールニュースをお届けいたします。
今年も場の研究所のイベントへの参加をよろしくお願いいたします。
◎1月は勉強会テーマ:「内側から見た自分と外側から見た自分」
(情報の氾濫と浦島太郎)を、1月20日(金曜)に開催しました。
15時から17時までは、これまでのように場の思想についての説明をおこない、初めて参加された方に事前の勉強をして頂きました。場の研究所のここ2年くらいの活動内容をベースに、場の考え方をなるべく、絵柄を多くした形で前川理事がアレンジして紹介いたしました。
要点を紹介しますと、外側から外観的に捉えている自己と、身体の活きを通して内観的に内側から捉える自己の差、そしてそれに関連して局在的自己と、遍在的自己のイメージ。
即ち、二領域的な自己の捉え方をまず理解していただいた。更に、これらの考えに基づいて場に於ける人の存在を卵モデルで表現。最初は、混ざり合わない白身と、その後の白身の広がりと混ざり合いによる共有への変化。そして即興劇の役者と観客の関係についても例を揚げて説明。基本は「場の思想」の本をベースにした絵柄でしたので、本を読んでいた方には、かなり理解が進んだと思います。
17時からは、清水先生が新年早々、日記に書かれたノートをベースに「〈いのち〉の重層的自己組織と与贈循環」という内容で勉強を行いました。
-------------------------------------------------------
説明内容:
自己がその身体を内観する活きと、居場所を内観してそこに自己を位置づける活きとは、どのように関係しているだろうか。
この問題に回答を与えるのが、〈いのち〉の重層的自己組織と与贈循環である。ここで内観とは、〈いのち〉の即興的なドラマを通じて、その舞台に位置づけられた役者の活きを観ることである。
約60兆個とも言われる自己の身体を構成している細胞の状態によって、居場所における自己の活きが影響を受けることは言うまでもないが、それだけではない。自己の身体は上下二つの与贈循環の交差点として、上下二つの居場所の自己組織を干渉なく進める必要が
ある。そのためには、どのような条件が満たされる必要があるのか?
──それは、上層の居場所に生まれる場を受けて、個体の身体に細胞たちが演じる〈いのち〉のドラマの舞台に参観する「観客」が生まれ、その観客の要望にしたがって、役者となった細胞たちがドラマを演じていく傾向が生まれるのである。
このように重層的な〈いのち〉の与贈循環は、自己が役者となって活く居場所のドラマが、そのドラマを演じている自己の身体にどのような影響を与えるかを考える上でも役に立つ。居場所の状態によって健康が左右されたり、身体の形態や人相までが変わったり、
また、生物進化が環境の影響を受けたりすることも、重層的な〈いのち〉のドラマによって同様に説明できる。また場の研究所が研究してきた「〈いのち〉の医療」の原理としても活用される可能性がある。
居場所における〈いのち〉の自己組織(〈いのち〉のドラマ)に影響を与えている「観客」が、煩悩によってつくり出された活きであれば、生存に深刻な影響を与えることになる。だから、「正統な観客」とは、自己の生のみならず死をも、その〈いのち〉によって包んでくる地球的な居場所における〈いのち〉の与贈循環によって生まれる場である。
⇒(自己がその居場所の〈いのち〉のドラマに参加するために必要な活きが、真宗では念仏である。)
〈いのち〉の科学の重要なメリットは、それが単なる知識の展開に終わらず、与贈という実践的な行為をもっていることである。
〈いのち〉の科学は与贈主体と与贈共同体の主客非分離的な実践の科学なのである。
----------------------------------------------------------
ここで、先生が強調されたのは、共存在の思想が重要。民主主義や資本主義の行き詰まり感が心配で、一緒に生きていくと言う形が崩れてきていて心配である。
このあと、Q&Aとなり、多くのディスカッションがスタート。
いくつか紹介します。
1.こころの調和が重要だと思います。それを壊すのは「欲」では?
A:欲は必要であり、それで生きているので持っていて良い。
確かに、民主主義や資本主義での閉鎖的な欲は危険な部分があり、お互いの共存在を無視するのは問題。場の考え方は、<いのち>が出発点。「存在を継続しようとする活らき」であり、ここに「願い」がある。ここが重要です。
2.情報の氾濫と浦島太郎の話とは?
A:今の人達は私も含めて、ネットでの情報集め、フェースブックでの情報のやりとり、そしてその情報は刺激が強く、あっという間に流れ去っていく。その情報を追いかけていて、我に返ると驚くほどの時間が過ぎている。それは浦島太郎が竜宮で「鯛やヒラメの舞い踊り」を毎日楽しみ、我に返って自分の故郷に帰ってみると、故郷はすっかり変わっていて、開けてはならない玉手箱を開けて、現実の我を見てみたら、もう取り返しのつかない老人になっていたということに似ているように思う。現在社会には共存在の基盤が薄れてきているのではないだろうか?
3.共存在の大切さは理解していますがSNSやラインで仲間外れが問題になっている。仲間的な関係から抜け出しても良いという考えやそのためのセーフティネットも必要では?
A:それは、本来の共存在ではありません。本当の共存在は相手の主体性を大切にし、お互いを認めることです。そういう観点から見ると、ラインでの仲間外れは、本当にお互い
を認め合うレベルでは無く、群れの中にいるかいないか?という外観的な判断のみだと思います。
4.共存在は大切なテーマだと思います。でも、なかなか違いを認めることが難しい世の中だと思います。障害の人達は、その観点で見ると、なかなか違いを認めて共存在という考えが理解されないと思います。横浜の事件もそうです。でも、自分自身は障害を
もった子供と接していて、逆に自分が救われるとか、助けてもらうという経験があり、子供達が自分に役割をあたえてくれている。
そして、子供達も役割を持っていると考えています。
A:全く同感です。その通りで共存在の考えがもっと広がることが必要だと思います。
等々
以上のように、密なディスカッションとなり有意義な勉強会でした。
ご参加頂いた方々有り難うございました。
-----------------------------------------------------------
■勉強会のご案内
テーマ:「いのちの医療とその活用:居場所の共存在性を高めることによって、患者の免疫力を高めて、内在的な病を治療する活動」日時:2月17日(金曜)17時から19時30分までの予定です。
講師はエーザイ(株)の高山様の紹介の同社の社員の方に体験的で感動的なお話をいただく予定です。清水先生からのコメントをいただきながら進めいと思います。
従来通り15時からワイガヤ的に議論を進めて、17時より勉強会を行います。
場所:特定非営利活動法人 場の研究所
住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3
Email:info@banokenkyujo.org
参加費:会員…5,000円 非会員…6,000円
申し込みについては、毎回予約をお願いいたします。
(なお、飛び入りのお断りはしておりません。)
---------------------------------------------------
■編集後記
今回も初めての方が数名いらして、最初は場の思想の説明を絵柄を使っていたしました。Q&Aや感想も多くいただいて、良かったと思います。少々難しい内容も有りましたが、清水先生の細かな説明で場の理論の基礎的な考えのレベル向上ができたと思います。
今回も、参加して良かったと言う声をいただきました。
2017年2月は従来通り第3金曜日の2月17日(金曜)に開催いたします。
よろしくお願いいたします。
特定非営利活動法人 場の研究所
住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3
電話・FAX:03-5980-7222
Email:info@banokenkyujo.org
ホームページ:http://www.banokenkyujo.org