場の研究所メールニュース 2017年11月号

□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━ 

場の研究所 定例勉強会のご案内 

□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━□━ 

  ホームページ:http://www.banokenkyujo.org/ 

  ------------------------------------------------------------ 

「〈いのち〉を居場所に与贈して〈いのち〉の与贈循環を生み出そう」 

〈いのち〉とは「存在を続けようとする能動的な活き」である。 

                         (清水博) 

------------------------------------------------------------ 

2017年11月のメールニュースをお届けいたします。 

  

◎10月はお知らせしたように、10月22日(日曜)に新潟市で、場の研究所と新潟の博進堂(株)と共催で、「哲学塾」を開催しましたので、勉強会は、中止とさせていただきました。

 

ここで、哲学塾の主な内容を紹介させていただきます。

プログラムの内容を転載いたします。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

場の勉強会×hakushindo CAMPUS特別講座 リビングライブラリー

      哲学塾 〜活かし活かされる与贈循環の実践〜

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

 

近代文明が行き詰まり、社会的な閉塞感が強まっていることに関係して、企業の新たな取り組みや地域の新しい助け合いの仕組みが生まれてきています。企業もこれまでのように自社の利益を追求するだけでは立ち行かなる時代がすぐそこまで来ています。それを一口に言うと、互いの生活を支え合う形をつくらなければ、お金が動かず、社会が全体として生きていく形が生まれないのです。

 

そこで社会に暮らす私たち一人ひとりができることを持ち寄り、互いの活動をつないで生活の場を広げながら生きていくことが求められてきます。そこで新たな可能性を地域社会との関係の中に見出そうとする活動が始まっています。

 

 

そのような時代背景の中で、社会に対して見返りを求めずに実践する「与贈」の考え方が、企業にも広まってきています。「与贈する」ことによって自社の資源を活かし、その結果社会から活かされる存在となる「与贈の循環」は、これからの企業にとって大きなテーマの一つになります。今回の哲学塾では、地域社会への与贈を活動の重要な一部として実践している人たちが集まり、それぞれの取り組みと課題を共有し、リビングライブラリーという手法を用いて、実践者同士の交流と理解を深め、互いの意識の間のネットワークを広げました。

 

 

目的:与贈の実践者が活動の輪を広げていくための糸口を発見する。

日時:2017年10月22日(日) 10:00〜17:30

会場:森の共育実修所 点塾

定員:40名

共催:NPO法人場の研究所、㈱博進堂

ブース出展者

 

・Eco-Branch(愛知県)

・自然栽培新潟研究会(新潟県)

・アズワンネットワーク鈴鹿コミュニティ(愛知県)

・ダーウィンルーム(東京都)

・平和堂薬局(新潟県)

・バウハウス(新潟県)

 

====================================

プログラム

====================================

10:00 開講のあいさつ ㈱博進堂代表取締役 清水伸氏

10:15  メッセージ      NPO法人場の研究所所長 清水博氏

11:00 基調講演       エーザイ㈱知創部 高山千弘氏

「おかげさま・おたがいさまの社会を実現する」

12:00 昼食休憩

13:00 リビングライブラリー

ゲスト実践者による自己紹介とプレゼン

14:30 リビングライブラリー ゲスト実践者によるブース展開

・Q&A

16:30   コメント&まとめ NPO法人場の研究所 清水博氏、

博進堂 清水義晴氏

17:00 閉講のあいさつ ㈱博進堂顧問 清水義晴氏

 

以上のようなプログラムで推進、悪天候にも関わらず、多くの方に参加いただき、それぞれの参加団体間でのコミュニケーションも図られ大変有意義な哲学塾となりました。

 

清水 博先生の講演の内容について

----------------------------------------------------

◎哲学塾:与贈循環の実践 

 “与贈には、物質至上主義を乗り越える力がある。”ということについて、詳しい話がありました。それは、与贈は自己の〈いのち〉を自己から離して、居場所の〈いのち〉の活きに委ねること、すなわち〈いのち〉の帰命であり、そこに与贈循環が生まれるからです。

 

 

 現在は「認識の時代を越えて意識の時代へ」という変化がおきています。そのことは大きく言えば、「科学技術の時代から科学技術を超える時代へ」ということにも対応しています。

 

 この心の変化は、私たちの関心が「持つことから在ることへ」と変わっていくためにおきているのです。それは認識のレベルで満足していた私たちの心が、自己の存在に結びついた意識のレベルまで深まらなければ、もう満足できなくなっていることによっておきているのです。私たちの中でおきるこの意識の大

変化の旅の切符に相当するのが与贈です。

 

 

 意識とは自己自身のことですから、与贈をして意識が変わり、自分自身の状態が変わらなければ、それがどう言う状態であるかは感覚的に分かりません。ですから、まず与贈をして、自己が変わり、新しい時代を正しく理解できるのであって、その逆の場合、次の新しい時代をまず理解してから与贈をするという順序では実行できません。まず与贈をしてみて、はじめておかげさま、おたがいさまとか、存在の多様性ということが、自分自身の感覚として身について分かるのです。このように与贈は、時代が人を選り分ける切符なのです。

 

---------------------------------------------------- 

そして、基調講演のエーザイ(株)知財部 執行役員高山千弘様からは、エーザイという会社の企業理念、人に寄り添う(hhc:Human Health Care)をいろいろな高山様の経験や実践現場での例を交えて多くの与贈の話をしてくださいました。

それぞれの、リビングライブラリーとしての、各団体の方々からのプレゼンも与贈の実践者としての経験をベースのもので、大変興味深い内容でした。これまでの資本主義的進め方では、世の中が行き詰ってしまう中、新たな着目点や地域に根差した取り組みをされ、課題を解決していくという方向は一致していたように思います。

特に、参加団体の地道な努力や、与贈と言える人に対するやさしいこころやおもいやりが感じられ、おたがいの活動の共通点に驚いた次第です。

 

最後のまとめでは、清水義晴氏から、「まず与贈によって自己を変えてから」という新たな気づきもあり本当に充実した哲学塾で開催してよかった!というコメントがありました。

ご参加いただいた方々ありがとうございました。

 

(文責:場の研究所)

----------------------------------------------------------   

■11月の場の勉強会は、11月18日(土曜日)下北沢の「ダーウィンルーム」で清水ゼミというかたちで、勉強会もあわせて、行います。ご参加の方は、下記のダーウィンルームへの申し込みをよろしくお願いいたします。

 

■編集後記

9月の場の研究所のシンポジウムの開催につづき、10月は新潟での博進堂さんとの共催で哲学塾を開催いたしました。

これまでの勉強会やシンポジウムなどとは、まったく違った形のイベントでしたが、実際に与贈のアクションをされているお話は力もあり、お互いの意識を共有できたひと時でした。

 

11月も勉強会はダーウィンルームでの清水ゼミとドッキングした形を計画しており、北大塚の場の研究所での勉強会は12月になる予定です。

今後ともよろしくお願いいたします。

 

お知らせ|第3回 清水博ゼミを開催します。

第3回 清水博ゼミ

ー 持つことから在ることへ ー

日 時:2017.11.18(土)

    18:00ー21:00/開場30分前

講 師:清水 博 さん/東大名誉教授・薬学博士

会 場:ダーウィンルーム2Fラボ

料 金:¥5,000税込/18歳以下半額/ドリンク付き

共 催:場の研究所

お申し込み: メール:darwinroom@me.com

電話 03-6805-2638

 

《清水博先生からのメッセージ》

「認識から始まって認識を超える」ということは、「認識の時代を越えて意識の時代へ」ということです。それは「極彩色のカラー写真に満足していた時代から、しっとりとしたモノクロ写真にさらに心を引かれる時代へ」ということであり、そのことは大きく言えば、「科学技術から始まって科学技術を超える時代へ」ということに対応しています。

 

 この心の変化は、私たちの関心が「持つことから在ることへ」と変わっていくことによっておきるのです。それは認識のレベルで満足していた私たちの心が、意識のレベルまで深まらなければ、もう満足できなくなっていることによっておきてくるのです。

 このことを頭において、意識の上につくられる新しい「存在の科学」の話を聴いてみませんか?

この存在の科学が教える「絶対多様性の原理」が、混沌とした世界と日本の闇に確かな光を当ててくれることでしょう。

 11月18日に、下北沢へ集まって一緒に考えて見ませんか!  

 清水 博

 

 

特定非営利活動法人 場の研究所

住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3

電話・FAX:03-5980-7222

Email:info@banokenkyujo.org

ホームページ:http://www.banokenkyujo.org