このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、「場の研究所」の関係者と名刺交換された方を対象に送付させていただいています。
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■場の研究所からのお知らせ
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皆様
場の研究所の理事の前川泰久でございます。
猛暑の8月になりました。コロナのデルタ変異種の感染力の強さもあり東京を中心に患者数が大幅に増大してしまい、医療の逼迫が心配です。ワクチン接種も64歳以下の方々への接種が拡大しないとなかなか先が見えないように感じています。その中、オリンピックは何とか開催されて、アスリートの頑張りが世の中に素晴らしい勇気を与えてくれていますが、コロナのために、この舞台に立てなかった選手も多いことも、忘れないようにしたいと思います。
場の研究所の活動もコロナ禍になる前は夏休みをとっていましたが、「ネットを介した勉強会」は、唯一の活動ですし、テレワークですので、昨年同様、継続したいと思います。そして多くの方と「共存在の世界」の議論をしていきたいと思います。
7月の第14回目の「ネットを介した勉強会」を第4金曜日の23日に開催いたしました。テーマは「自己の存在について」でした。
今回は新たに参加されたメンバーもありました。ありがとうございました。過去に場の研究所の勉強会に参加経験のある方は、さすがにすぐに議論に入っていただけて、違った角度からのコメントを送っていただきました。
勉強会資料の最初の問いかけの『「いま」「ここ」を考えてみる』という内容から、参加の皆さんも、自己の存在を見直す良い機会が得られたのではないでしょうか。
8月の「ネットを介した勉強会」の開催予定は、第3金曜日の20日を予定しております。
基本のテーマは「共存在と居場所」で進めていきます。
毎回コメントしていますが、ネット上でも「共存在」の居場所が生まれていると感じておりますので、その原因を探りながら改良を重ねて継続し、広げて行きたいと思っています。
なお、「ネットを介した勉強会」の内容については、メールニュースで資料をわかり易くご紹介してきております。参加されなかった方も、参考にして下されば幸いです。
もし、ご感想、ご意見がある方は、下記メールアドレスへお送りください。
今後の進め方に反映していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
ご感想、ご意見は、こちらのアドレスへお送りください。
contact.banokenkyujo@gmail.com
メールの件名には、「ネットを介した勉強会について」と記していただけると幸いです。
◎コーディネーターのこばやし研究員からのコメント:
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「この時間が大切なんだよな」
一年を過ぎて「ネットを介した勉強会」に感じるのは、この思いです。
この勉強会は、予め正解があって、その答えを教えてもらう、と言ったものではありません。
答えのないことに向き合う、分からないことに向き合う、その中から自らの答えに出会う、いや、答えではなくて、問いに出会う、会なのだなぁ、と感じます。
普段の生活の中で、求められる「正解を素速く」とは真逆な時間です。
正解のないことに、自分の意見を言うのは勇気がいりますし、それ以上に、どこからか持ってきた言葉では役に立ちません。
真っ向から向き合う必要があります。
(その大部分は、分からなさへの向き合いですが。)
ですから、片手間にちょいちょい、とはいきません。
じっくりとこころの奥の方と向き合う時間が求められます。
「この「場所」「居場所」への参加は、1人でゆっくりと考える時間がないとなかなかうまくできないのです。」(引用承諾済)とおっしゃられる方もいらっしゃいます。
なかなか、気軽ではありません。(笑)
しかし、この答えのない問題を考えることの大切さは、この時間の中ではなくて、普段の日常に発見があるようにも思います。
日常に、ある形の張りを与えてもらっているように感じることもあります。
また、別の角度から、こんな風にも思いました。
(正解のない問題を)一人、時間をかけて考えて、考えて、その考えたことを渡す相手がいると言うことは、幸せだなぁ、と。
自分のメールを待っていてくれる場があることの嬉しさ、とも言えるかもしれません。
私は、できれば、このような時間を共にできる方々と更に出会えたらいいなぁ、と思っています。
「ネットを介した勉強会」とは、自分にとって何なのか、回を重ねて、やっと言葉にできるようになり、今、嬉しく感じています。
では、勉強会でお待ちしています。
以上。
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◎第14回「ネットを介した勉強会」の資料(清水先生)
7月のテーマ「自己の存在について」の内容を簡単に紹介します。
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<自己の存在について>
・『この自分が宇宙の「いま」「ここ」にだけ存在し、そして過去の歴史にも、また未来の歴史にも存在しないと思われるのは何故だろうか?』を考えることは自己言及の問いになりますから、自己言及のパラドックスが生まれてしまい、答えが得られません。そこで宇宙的な場所と自己とが非分離な状態(矛盾的自己同一「一即多、多即一」の状態)に自己を置いて問いかけることになり、西田幾多郎が彼の宗教論で指摘しているように、自己の存在を深く問うことが宗教への入り口になるのです。そして彼によれば、超越的な絶対者「一」の自己否定によって、私たち個体の存在「多」が生まれることになります。
場の研究所では、個体としての自己と場所との相互誘導合致という「場所における〈いのち〉の自己組織の理論」によって、場所における個体の存在を別な科学的方向から考えてきました。そして私たち個体が相互誘導合致を実践する(行為的立場の)理論として「〈いのち〉の与贈循環の理論」があります。この理論を調べると、西田の宗教論の柱とも言われている「逆対応」と「平常底」に相当する活きも含まれていることがわかります。
このことから、西田理論のように「絶対者の自己否定」という宗教の形によらなくても、相互誘導合致によって生まれる〈いのち〉の自己組織という科学的な考えによっても、私たちの存在を理解することができることが分かります。しかし、そのような考えでも、「〈いのち〉が何故、場所としての地球に存在するか」を考えなければなりませんので、それに対して科学的な回答が不明である現在では、ルドルフ・オットーの「聖なるもの」のような活きを仮定することが必要になり、実質的には、それほど大きな差がないと考えることもできます。
以上
(場の研究所 清水 博)
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場の研究所では、哲学や精神から知識を切り離さないための努力をこれからも重ねていきます。
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◎8月の「ネットを介した勉強会」開催について
8月の勉強会ですが、最初にお知らせ致しましたように、第3金曜日20日に開催予定です。
場の研究所スタッフと有志の方にご協力いただき、メーリングリスト(相互に一斉送信のできる電子メールの仕組み)を使った方法で、参加の方には事前にご連絡いたします。
この勉強会に参加することは相互誘導合致がどのように生まれて、どのように進行し、つながりがどのように生まれていくかを、自分自身で実践的に経験していくことになります。参加される方には別途、進め方含めこばやし研究員からご案内させていただきます。
(参加者の方には勉強会の資料を早めに送ります。)
参加されない方にも、これまでの様に翌月のメールニュースでテーマ資料など内容の説明を致します。
なお、今後、状況の好転があれば、イベントの開催について、臨時メールニュースやホームページで、ご案内いたしますので、今後ともサポートをよろしくお願いいたします。
追伸:8月13日から15日まで、場の研究所は夏休みとさせていただきます。
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今後の、イベントの有無につきましては、念のために事前にホームページにてご確認をいただけるよう、重ねてお願い申し上げます。
2021年8月5日
場の研究所 前川泰久