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場の研究所メールニュース 2025年05月号

このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、「場の研究所」のイベントに参加された方を対象に送付させていただいています。

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■場の研究所からのお知らせ

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皆様

 

5月になりました。ゴールデンワイーク中ですので、自宅でゆっくりされたり、旅行に出かけてたりしている方も多いかと思います。

 

さて、4月の勉強会は第4金曜日の25日勉強会が開催されました。ご参加下さった方々ありがとうございました。

今回は新しい言葉として、生と死を含めた「場所ホロン(共存在子)」を学びました。

4月のテキスト(楽譜)の内容については、下記にまとめてありますので、参加されなかった方も是非参考にして下さい。(オーケストラになぞらえて資料を「楽譜」と呼んでいます。)

 

なお、5月の勉強会は、4月と同様に第4金曜日の23日の予定です。(第3金曜日が20日以前になる場合は、勉強会は第4金曜日におこないます。)

楽譜のテーマは『場所ホロンの救済』の予定です。

 

もし、勉強会について、ご感想・ご意見がある方は、下記メールアドレスへお送りください。今後の進め方に反映していきたいと思います。

contact.banokenkyujo@gmail.com

メールの件名には、「ネットを介した勉強会について」と記していただけると幸いです。

(場の研究所 前川泰久)

 

◎2025年4月の「ネットを介した勉強会」の内容の紹介

 第55回「ネットを介した勉強会」の楽譜 (清水 博先生作成)

★楽譜テーマ:『生命体としての地球に生きる』

 

◇ホロンついて

・もしも地球に生命があるのなら、地球を場所としてそこに共存在しているさまざまな生物の生命とその生命の関係は、私たちの生命と私たちを構成している多様な細胞の生命の関係に相当して、矛盾的自己同一「一即多、多即一」の関係にあると考えられる。

・ここで「一」に相当する生命体を場所的生命体、「多」に相当する生命体をホロンと呼ぶことにする。

 

◇動的で生成的なホロンについて

・一個の場所的生命体としての地球の生命と、地球を場所としてそこに存在している非常に多数のさまざまなホロンの関係は動的で絶えず新生されていると考えられる。

・場所的生命体とホロンの矛盾的自己同一の関係は静的なものでなく、絶えず新しく進化している動的で生成的なものでなければならない。

・そのことは、古いホロンが死に、新しいホロンが生まれるばかりか、ホロンが生物的に進化して、今日の状態に至っていることからも明らかである。

 

◇ホロンの生命の与贈循環

・分かりやすく言えば、場所的生命体を「舞台」として、非常に多数のホロンを「役者」として「生命のドラマ」が演じられ、そのドラマが絶えず進行していく必要がある。

・矛盾的自己同一の関係はその「生命のドラマ」における「舞台」と「役者」の関係を意味するもので、動的でかつ進化を可能とするものでなければならない。

・そのような関係をもたらす活きとして、ホロンの生命の与贈循環がある。その与贈循環によって、生命は地球の上で絶えず変化をしているのである。

 

◇ホロンにおける2つの与贈:〈いのち〉の与贈と死としての与贈

・ここでホロンの地球への生命の与贈であるが、それは卵モデルの白身の与贈に相当するものを考えるだけでは、まだ不十分である。

・大切なことは黄身に相当するその存在が与贈されなければ、生物進化という「生命のドラマ」は進行しないということである。

・言葉を変えると、ホロンは死ななければ、そのドラマの「役者」として、「舞台」に立てないのである。

・ホロンには、〈いのち〉の与贈のみならず、存在そのものの与贈(死としての与贈)もまたその「役者」の演技として例外なく要求されるのである。この存在に対する厳しさ故に、ここでは生き物ではなくホロンという呼び方をしているのである。

 

◇バックヤードという後ろの世界

・さまざまな〈いのち〉の演技をしてきた古い「役者」が舞台の幕の後ろの世界(バックヤード)に隠れなければ、新しい「役者」がその後ろの世界(バックヤード)から出てくることができない。

・このことは地球という場所的生命体(「舞台」)の大きさに限界があることから必然的に生まれてくることであるが、「舞台」の大きさに限界があればこそ、場所における共存在(矛盾的自己同一)というドラマが可能になるのである。

 

◇場所的生命体としての地球の進化の必要性について

・それでは、すべてのホロンに死によってその存在の与贈を例外なく要求していくという厳しい掟を押しつけてまで、場所的生命体としての地球はなぜ進化(生物進化)してこなければならなかったのだろうか?

・同じ状態にとどまっていても良かったようにも思われる。歴史的進化はなぜ地球に必要だったのであろうか?

・この問いに対する答えとして、私が考えているのが「場所的生命体としての地球は宇宙におけるその環境と動的平衡にある。そして宇宙は絶えず創造的に進化している。」ということである。

・ホロンとしての私たちの死と生とは、宇宙のこの創造的な進化の必然的な結果として生まれているのである。

・宗教はこのことを事実として受け入れる活きであると思う。

・強調しておきたいのであるが、私たちの生のみならず、その死にも、創造的な活きや意味がある。

 

◇地球のドラマの舞台について

・ホロンとしての生きものの存在の宇宙的な活きやその意味は、私たちが考える論理では表現しきれない。

・「生命のドラマ」のバックヤードをくぐってきた深淵の存在から魂が震えるような活きのあるアートの作品が生まれるのである。

・場としての地球の考察はそのドラマの舞台を、バックヤードの活きまでも含めて掴むことができるだろうか?

 

◇場所ホロン(共存在子)という考え

・「ホロン」という言葉は、アーサー・ケストラーが全体との有機的調和の活きをもつ個として導入したもので、日本では「全体子」と訳されていたのだが、全体子には個の存在の多様性そのものに対する考察がなかったので、全体主義につながる可能性があるということを言われて、いつの間にか消えてしまった。

・私が今回使ったホロンという言葉は「一即多、多即一」という「多」(個の多様性)の存在と「舞台」(全体)を超えるバックヤードの役割までを考えて死の活きを新しく加えるなど、ホロンの存在の多様性や全体としての場所を超えることを大切な出発点にしているので、これまで言われてきた全体子としてのホロンとはまったく異なる。

・誤解のないようにお願いしたい。そのような誤解を避けるために、今回このテキストで使った「ホロン」という言葉を、今後は「場所ホロン(共存在子)」と呼ぶことにする。

 

(資料抜粋まとめ:前川泰久)

 

◎5月の「ネットを介した勉強会」開催について

楽譜のテーマ:『場所ホロンの救済』

5月23日(第4金曜日)の17時よりの開催予定です。

ご期待ください。

 

これまでご参加下さっている方には、ご参加希望についてのお知らせを別途お送りします。

なお、新規に参加ご希望の方も、私のこのメールに返信でご連絡ください。

 

開催に際しては、場の研究所スタッフと有志の方にご協力いただき、メーリングリスト(相互に一斉送信のできる電子メールの仕組み)を使った方法で、参加の方には事前にご連絡いたします。

この勉強会に参加することは相互誘導合致がどのように生まれて、どのように進行し、つながりがどのように生まれていくかを、自分自身で実践的に経験していくことになります。

参加される方には別途、進め方含め、こばやし研究員からご案内させていただき、勉強会の資料も送ります。(参加費は無料です。)

 

場の研究所としましては、コロナの状況を見ながら「ネットを介した勉強会」以外に「哲学カフェ」などのイベントの開催をして行きたいと考えています。もし決定した場合は臨時メールニュースやホームページで、ご案内いたします。

 

もし、勉強会について、ご感想・ご意見がある方は、下記メールアドレスへお送りください。今後の進め方に反映していきたいと思います。

contact.banokenkyujo@gmail.com

メールの件名には、「ネットを介した勉強会について」と記していただけると幸いです。

 

なお、メールニュースが毎月届いていらっしゃらない方は、是非、ご連絡ください。

 

◎場の研究所の事務所の移転のお知らせ

皆さま、場の研究所の事務所が、2025年4月より移転いたしました。

 2016年以来、北大塚にあります日本ソフト(株)様の事務所をお借りして、活動をして参りましたが、事務担当の大場の徒手医学研究所の移転にともない、事務業務の効率化を含め、場の研究所を併設させていただくこととなりました。従って、場の研究所の事務関連業務は滞りなく継続運営して参ります。勿論、「ネットを介した勉強会」はこれまで通り継続いたします。

 なお、対面でのミーティングの開催の場合は、従来の北大塚の日本ソフトさんの地下の会議室を調整のうえ利用させていただけるとのことですので、これまで通りです。人数によっては他の公共施設の借用も検討いたします。

 また、場の研究所の活動はこれまで通りで、ご案内(勉強会など)や情報配信はメールでご案内いたします。今後ともよろしくお願いいたします。

 

場の研究所の新住所:〒101-0044   東京都千代田区鍛治町 2-8-12  JGN神田ビル 2F 

HP-URL:https:/www.banokenkyujo.org

 

2025年5月1日

場の研究所 前川泰久