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場の研究所メールニュース 2025年06月号

このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、「場の研究所」のイベントに参加された方を対象に送付させていただいています。

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■場の研究所からのお知らせ

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皆様

 

6月になりました。初夏の日差しと梅雨の気配が入り混じった気候に身体がついて行けないように感じています。

 

さて、5月の勉強会は第4金曜日の23日勉強会が開催されました。ご参加下さった方々ありがとうございました。

今回は「場所ホロン」と「仏教における救済」との比較でその考え方を学びました。

5月のテキスト(楽譜)の内容については、下記にまとめてありますので、参加されなかった方も是非参考にして下さい。(オーケストラになぞらえて資料を「楽譜」と呼んでいます。)

 

なお、6月の勉強会は、5月と同様に第4金曜日の27日の予定です。(第3金曜日が20日以前になる場合は、勉強会は第4金曜日におこないます。)

楽譜のテーマは『進化のバックヤード』の予定です。

 

もし、勉強会について、ご感想・ご意見がある方は、下記メールアドレスへお送りください。今後の進め方に反映していきたいと思います。

contact.banokenkyujo@gmail.com

メールの件名には、「ネットを介した勉強会について」と記していただけると幸いです。

(場の研究所 前川泰久)

 

◎2025年5月の「ネットを介した勉強会」の内容の紹介

 第57回「ネットを介した勉強会」の楽譜 (清水 博先生作成)

★楽譜テーマ:『場所ホロンの救済』

 

◇仏教の教えを参考にした〈生命〉の考え方

・私たちの身体を構成している約40兆個と言われる細胞は、場所的生命体である個体の〈生命〉によって生かされて生きているばかりでなく、その死も、個体の〈生命〉に包まれておき、このことによって、それぞれが生ばかりでなく、死の苦痛からも解放されている。

・仏教の教えを参考にして、このように、場所ホロンとしての私たちが生かされて生きていく場所である場所的生命体としての地球を「浄土」と呼ぶことにすると、その〈生命〉に相当するものが「阿弥陀如来」の活きとなる。

 

◇阿弥陀如来と与贈循環

・場所ホロンとなるさまざまな生きものの個体からの〈生命〉の与贈によって与贈循環が生まれて、動的な「一即多、多即一」の状態が生まれることは、「一」となる阿弥陀如来の活きにとっても必要である。

・ガン細胞によっては、人間は生きていけないことから明らかなように、与贈循環の生成は場所ホロンばかりでなく、阿弥陀如来自身に相当する場所的生命体の〈生命〉にとっても必要である。

 

◇場所ホロンと阿弥陀如来との関係を考える

・ここで視野を広げて、宇宙に浮かぶ天体である地球を「浄土」と考え、そこに生きている私たち人間を含んださまざまな場所ホロン(共存在子)と「阿弥陀如来」との関係を考えてみることにしよう。

・私たちが場所ホロンとしてその〈生命〉(存在)を、生のみならず死も含めて、「阿弥陀如来」に与贈することが生かされて生きていく形をつくると考える根拠を、浄土宗や浄土真宗などの浄土門仏教の教えにたずねてみることにする。

 

◇与贈が生かされ生きていく形をつくると考える根拠について

・インドのある王様がすべての人々を苦悩から救済するために、四十八個の願を立てて修行をした。その結果、その願が認められて阿弥陀如来になったと言うことになっているが、その願の内で最も重要なものが第十八願(18番目の願)であると考えられている。

・それは「南無阿弥陀仏」という念仏を少なくとも10回程度唱えれば、阿弥陀如来によって浄土に救済されるというものである。

・「南無」とは与贈ということであるから、浄土の主体である如来に向かって、少なくとも10回程度念仏をすると言うことである。

 

・第十八願は与贈循環の願であり、この願によって「一即多、多即一」の浄土の状態が生まれる。

・場所ホロンが場所に存在して、場所が浄土となり場所的生命体(阿弥陀如来)が現れるわけであるから、もしもこの願によって場所ホロンが救済されなければ、場所的生命体(阿弥陀如来)自身も存在できないことになる。

・つまり第十八願には、如来自身もその存在(〈生命〉)を懸けている願いなのである。

 

・第十八願は与贈循環の願であり、如来自身がその存在(〈生命〉)を懸けて深く願って生まれた願であり、浄土門仏教を生み出してきたのであるが、信じなければ生きておれないほどの迫力を持っている。

・この願が生まれた当時は地球という概念もなかったわけだが、ただ「生かされて生きている」という考えは存在し、その場所として「浄土」と言う概念はあったと思われる。

 

◇阿弥陀如来に相当するものが地球の〈生命〉

・このように仏教における真実を受けとって、その真実を現代の地球に当てはめてみると、先ず「浄土」に相当するものが私たちをはじめ、さまざまな生きものの個体(場所ホロン)が生かされている地球になる。

・そしてその〈生命〉である「阿弥陀如来」に相当するものが場所的生命体としての地球の〈生命〉になる。

・そして第十八願にしたがっておこなわれる「南無阿弥陀仏」の念仏が私たち場所ホロンの存在(〈生命〉)の地球への与贈によって生まれる地球における「一即多、多即一」の存在(〈生命〉)の与贈循環である。

 

◇「〈生命〉のドラマ」のバックヤードに消えていくまでの考え方(死の苦悩からの救済)

・「この関係を信じて、念仏を唱えながら場所ホロンとしての私たちが自分の存在(〈生命〉)を地球へ与贈すれば、与贈循環によって地球の〈生命〉に包まれて存在(〈生命〉)することができると考えられる。

・そのことによって、私たちも地球における生物進化の活きを担いながら「〈生命〉のドラマ」のバックヤードに消えていくことができるのである。これこそが私たち場所ホロンの死の苦悩からの救済である。

 

◇「凡夫」たち場所ホロンによる与贈循環の重要性

・生物進化は天才の出現によって進められるのではない。

・「失敗は成功のもと」と言われるように、平凡な失敗を沢山積み重ねていくことによって、それを乗り越える形が生まれる言わば「大勢の凡夫たち場所ホロンによる与贈循環の仕事」である。

・浄土門仏教は地球の生物的進化を担っていく「凡夫」たち場所ホロンを救済するための宗教である。

 

(資料抜粋まとめ:前川泰久)

 

◎6月の「ネットを介した勉強会」開催について

楽譜のテーマ:『進化のバックヤード』

6月27日(第4金曜日)の17時よりの開催予定です。

ご期待ください。

 

これまでご参加下さっている方には、ご参加希望についてのお知らせを別途お送りします。

なお、新規に参加ご希望の方も、私のこのメールに返信でご連絡ください。

 

開催に際しては、場の研究所スタッフと有志の方にご協力いただき、メーリングリスト(相互に一斉送信のできる電子メールの仕組み)を使った方法で、参加の方には事前にご連絡いたします。

この勉強会に参加することは相互誘導合致がどのように生まれて、どのように進行し、つながりがどのように生まれていくかを、自分自身で実践的に経験していくことになります。

参加される方には別途、進め方含め、こばやし研究員からご案内させていただき、勉強会の資料も送ります。(参加費は無料です。)

 

場の研究所としましては、コロナの状況を見ながら「ネットを介した勉強会」以外に「哲学カフェ」などのイベントの開催をして行きたいと考えています。もし決定した場合は臨時メールニュースやホームページで、ご案内いたします。

 

もし、勉強会について、ご感想・ご意見がある方は、下記メールアドレスへお送りください。今後の進め方に反映していきたいと思います。

contact.banokenkyujo@gmail.com

メールの件名には、「ネットを介した勉強会について」と記していただけると幸いです。

 

なお、メールニュースが毎月届いていらっしゃらない方は、是非、ご連絡ください。

 

 

2025年6月1日

場の研究所 前川泰久