このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、「場の研究所」の関係者と名刺交換された方を対象に送付させていただいています。
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■場の研究所からのお知らせ
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皆様
4月になりました。桜が満開のところもあるかと思います。
また、年度が新しくなり、お仕事などが変化している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
季節の変わり目でもあり、体調を崩さないようにお過ごしください。
さて、3月の勉強会は従来通り、第3金曜日の21日勉強会が開催されました。ご参加下さった方々ありがとうございました。
3月のテキスト(楽譜)の内容については、参加されなかった方も、このメールニュースを是非参考にして下さい。(オーケストラになぞらえて資料を「楽譜」と呼んでいます。)
なお、4月の勉強会は、従来通り第4金曜日の25日の予定です。(第3金曜日が20日以前になる場合は、勉強会は第4金曜日におこないます。)
楽譜のテーマは『生命体としての地球に生きる』の予定です。
もし、勉強会について、ご感想・ご意見がある方は、下記メールアドレスへお送りください。今後の進め方に反映していきたいと思います。
contact.banokenkyujo@gmail.com
メールの件名には、「ネットを介した勉強会について」と記していただけると幸いです。
(場の研究所 前川泰久)
◎2025年3月の「ネットを介した勉強会」の内容の紹介
第55回「ネットを介した勉強会」の楽譜 (清水 博先生作成)
★楽譜テーマ:『「在る」と「持つ」』
◇「持つ」から「在る」への変化の揺り戻しについて
・限られた地球の上で人々が生き続けていくためには、文明を「持つ」ことを進化させる形から「在る」ことを進化させる形へ変化させなければならないと考えられてきた。
・「在る」ということは、場所(大きく言えば、地球という場所)に互いの〈いのち〉がつながって存在する(共存在する)ということであり、それぞれが互いに無関係に存在するということではない。
・そのように在るためには、〈いのち〉の与贈を受けた者が与贈を返して与贈循環の形をつくること、つまり与贈を返して「一即多、多即一」の形をつくることが必要であり、これが続かなければ〈いのち〉のつながりが切れて、共存在の形が消えてしまうのである。
・実際、〈いのち〉のつながりが切れていくような変化が、「持つ」から「在る」への変化の揺り戻しとして現れる。
・実際、期待しているような形で〈いのち〉が返されないと、与贈している側はイライラしてしまう。期待しているのは、直接的か、間接的に「持つ」ことにつながる変化であり、このために「持つ」から「在る」への変化は直線的には進まないのである。
◇場所としての地球における存在の矛盾の現れ
・地球という場所における〈いのち〉の与贈循環をつくることが現代の課題であるが、その〈いのち〉の形がはっきりしないことから、揺り戻しによって場所としての地球に存在の矛盾が現れてくる。
・その変化が存在の文明への進化に対する揺り戻しとして出現してくると思う。
・その典型がバイデンからトランプへの変化として米国に出現している。ロシアとウクライナの戦いもそのように理解することができる。
◇「世間よし」と矛盾的自己同一
・「持つ」ための〈いのち〉の活きが「在る」ことを豊かにするためには〈いのち〉の与贈循環の形が生まれることが必要だが、実践的なレベルでそのことを説いたのが、前川さんも引用される「近江商人の三方よし」である。
・それは「売り手よし」、「買い手よし」、「世間よし」の三方の「よし」であり、売買に直接関係している「多」への与贈の他にも、直接的には関係しない「一」である「世間」という場所にも与贈がおこなわれて与贈循環がおきて矛盾的自己同一「一即多、多即一」が生成することの必要を説いたものである。
◇「三方よし」は場づくりにおける重要な考え
・ある場所に場が持続的に存在しているときには、その場所に与贈循環がおきて矛盾的自己同一が生まれているということを私が発見したのは、床のなかで眠る直前だったので、そのことを場の定理として記憶するためには、眠さと戦わなければならなかった。
・そう言う意味では、近江商人の「三方よし」は世間における場づくりの重要さを説いた言葉にもなっている。この「三方よし」という考えを延長して、地球という場所における売買に活用することが、永い目で見れば、人類の大きな課題になることは間違いないのである。
◇「一即多、多即一」は出発点、場所の〈生命〉(実存生命)に迫ることが目的
・以前、場の研究所で働いていただいた画家の平丸陽子さんは、現在京都に住んでおられて、画家として抽象的な画の新しい領域を創造的に開拓しておられるが、それは矛盾的自己同一が持続的に成立している場における「多」ではなく、場における「一」を画として表現することであると、私は理解している。
・それはたんなる「一」ではない。また「一即多、多即一」でもないのである。
・「一即多、多即一」は出発点であり、目的は「一即多、多即一」の「一」即ち場所の〈生命〉そのものに迫ることなのである。それが近江商人の「世間」に相当する。
・東京のJR馬喰町駅の近くで毎年のように個展が開かれますから、ご一見をお勧めする。
◇地球の「〈いのち〉のドラマ」を深く理解していく研究や文化が重要
・〈いのち〉の与贈循環によって地球全体が支えられる「三方よしの文化」が地球に広がることが最も大切である。
・それは地球全体が矛盾的自己同一によって一つの生命体になることを意味している。その地球の〈いのち〉が多くの「多」を支えている「一」としての生きた地球の〈いのち〉であり「場」に相当する。
・したがって、〈いのち〉の与贈循環を場の生成に結びつけて、地球の「〈いのち〉のドラマ」を深く理解していく研究や文化がますます重要になってくるのである。
(資料抜粋まとめ:前川泰久)
◎4月の「ネットを介した勉強会」開催について
楽譜のテーマ:『生命体としての地球に生きる』
4月25日(第4金曜日)の17時よりの開催予定です。
ご期待ください。
これまでご参加下さっている方には、ご参加希望についてのお知らせを別途お送りします。
なお、新規に参加ご希望の方も、私のこのメールに返信でご連絡ください。
開催に際しては、場の研究所スタッフと有志の方にご協力いただき、メーリングリスト(相互に一斉送信のできる電子メールの仕組み)を使った方法で、参加の方には事前にご連絡いたします。
この勉強会に参加することは相互誘導合致がどのように生まれて、どのように進行し、つながりがどのように生まれていくかを、自分自身で実践的に経験していくことになります。
参加される方には別途、進め方含め、こばやし研究員からご案内させていただき、勉強会の資料も送ります。(参加費は無料です。)
場の研究所としましては、コロナの状況を見ながら「ネットを介した勉強会」以外に「哲学カフェ」などのイベントの開催をして行きたいと考えています。もし決定した場合は臨時メールニュースやホームページで、ご案内いたします。
もし、勉強会について、ご感想・ご意見がある方は、下記メールアドレスへお送りください。今後の進め方に反映していきたいと思います。
contact.banokenkyujo@gmail.com
メールの件名には、「ネットを介した勉強会について」と記していただけると幸いです。
なお、メールニュースが毎月届いていらっしゃらない方は、是非、ご連絡ください。
2025年4月1日
場の研究所 前川泰久