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場の研究所メールニュース 2025年11月号

このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、「場の研究所」のイベントに参加された方を対象に送付させていただいています。

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■場の研究所からのお知らせ

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皆様

 

11月になりました。急に寒い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?勉強会は先日終わったばかりですが、今月のメールニュースをお送りいたします。

まずは、ご参加下さった方々ありがとうございました。

先月は『共存在と〈いのち〉のドラマ』という楽譜で議論をしました。

清水先生の生活の変化における共存在の重要性について多くのことを学ぶことができたと思います。

10月のテキスト(楽譜)の内容については、下記にまとめてありますので、参加されなかった方も是非参考にして下さい。

 

今月の勉強会ですが、第3金曜日の21日に開催したいと思います。

 

もし、勉強会について、ご感想・ご意見がある方は、下記メールアドレスへお送りください。今後の進め方に反映していきたいと思います。

contact.banokenkyujo@gmail.com

メールの件名には、「ネットを介した勉強会について」と記していただけると幸いです。

(場の研究所 前川泰久)

 

◎2025年10月の「ネットを介した勉強会」の内容の紹介

 第60回「ネットを介した勉強会」の楽譜 (清水 博先生作成)

★楽譜テーマ:『共存在と〈いのち〉のドラマ』

 

・今回は、なるべく日々一頁ほどつけるようにしているメモ帳の写し取りを「楽譜」とする。

 

◇仲間の大切さと生きていく場所における自分のやるべき仕事の存在

・今日は敬老の日であり、生協さんから夕飯の宅配を受けていることもあって、紅白饅頭をプレゼントしていただいた。

・仲間が存在していることは、〈いのち〉のドラマを演じられることであり、そこに物語が生まれるから素晴らしい。仲間は人間だけとは限らない。何匹かの猫と共存在していることを味わいながら生きていくこともできる。

・必要なことは、生きて行く場所に自分自身がやるべき仕事が存在するかどうかである。

 

◇家庭における共存在の喜びの喪失

・脳梗塞は私たちの家庭から共存在の歓びを奪ってしまった。家内は私に子どもたちが教えてくれないリハビリ病院に入院してリハビリ中であるが右手右足の動きを全く奪ってしまった。リハビリによって何処まで回復させることができるだろうか。

・共存在は〈いのち〉の活き、さらに厳密に言えば、〈生命〉の与贈によって生まれてくる。脳梗塞はその与贈の活きを奪ってしまう。我々の家庭生活を振り返って見ると、共存在の歓びが生きている日々の歓びの中心に在ったと考えられる。

 

●わが家の収入や預金が集められて、家内の入院費と生協など私の生活費が賄われ、かつ私の医療費(一ヶ月に一回の往診と薬代)が生み出されるシステムが娘夫婦によってつくられて2ヶ月ほど経過した。大きな問題が生まれない限り、今後もこの形が続くと考えられる。

 

◇共存在の歓びについて

・共存在の歓びを越える歓びは見つからない。共存在の状態のなかにさまざまな歓びが発見されていく。

・共存在はその歓びのベース、つまり〈いのち〉のドラマの舞台の状態をつくっている。その舞台があってこそ、役者としての存在者がドラマを演じていくのである。家庭はそのドラマの舞台である。

 

◇高齢化による夢の喪失

・若い頃は新しい何物かを創造するという夢があったが、90歳を踏み出して越えた現在はその「創造の夢」は消えている。

・若い頃、黒沢明の映画に感じられたのは、その夢の大きさだった。現在は、思いは未来ではなく、過去に向かっている。そこに出現するのは、場所的共存在のドラマである。

・与えられたものに対する感謝がそこには存在している。

 

◇お互いの個性を大切にすることで存在者となる

・互いの個性を大切にしながら、役者としての役を演じていくことの大切さ。

(この点を大切にすれば、人間以外の猫や犬のような動物を存在者として含めることもできる。)

・存在を重んじなければ、共存在は生まれない。それは〈いのち〉のドラマ(厳密には、〈生命〉のドラマ)を演じる役者が存在しないことになるからである。

・互いの個性を大切にしながら、役者としての役を演じていくことの大切さ。

 

◇共存在が存在者にもたらすもの

・共存在が存在者にもたらすものは、存在者にとって大きな意味をもっている。共存在の生成(〈いのち〉や〈生命〉の与贈によって場所に与贈循環が生まれる。)〈いのち〉や〈生命〉の与贈は、死さえも、共存在を生み出す活きに変える。

 

◇共存在のための与贈

・共存在だけではなく、その場所に「ドラマ」が生まれて、心を結びつける活きを生み出していくことが必要である。〈いのち〉や〈生命〉が結びつけられていく「舞台」としての場所が生まれなければならない。場所に物語が生まれなければならないのである。

・互いに〈いのち〉や〈生命〉を場所に与贈することによって、存在者の存在(〈生命〉)がつながっていく。それは与贈循環がおきるからである。「ドラマ」が生まれるためには具体的な生活が必要である。

・共存在に内容(〈生命〉のドラマとしての物語)を与えるのは、与贈しながら生活する努力である。

・〈いのち〉や〈生命〉の活きがあってこそ、与贈としての活きが生まれ、場所における与贈循環が生まれる。その与贈循環のなかに「浄土」への死が生まれる。

 

◇共存在と「共与贈」

・共存在に意義が生まれるのは、「舞台」としての場所に「〈生命〉のドラマ」が生まれるからであり、その「ドラマ」が生まれるのは、場所を「舞台」として、そこに存在者の〈いのち〉(〈生命〉)の活きが与贈されて、与贈循環が生まれるからである。

・共存在は「共与贈」としての活きを生み出していく。「共存在」として心に思い出として残るのは、存在者がおこなった〈いのち〉(〈生命〉)の活きの与贈である。

 

◇共演の「ドラマ」が人生のドラマ

・(先月の「楽譜」でいう)土俵という場所に何処まで〈生命〉を与贈できるか、そこには自己の存在の与贈がなければならない。「呼び出し」に一回だけ存在を呼ばれて、人生の土俵に上がり、そこで「〈生命〉のドラマ」を演じる。

・それに多くの人々が見物席から参加をする共存在=共演の「ドラマ」が人生のドラマである。土俵際には数名の「審査員」も存在する。

 

◇〈いのち〉のドラマと共存在の関係

・〈いのち〉のドラマ(〈生命〉のドラマ)と共存在の関係は、ドラマが場所に生まれるから、その場所を「舞台」として「役者」としての存在者が共存在していくことができるということである。

・そのドラマは与贈循環によって存在者を役者として結びつけるのである。つまり、ドラマの舞台の上で共存在していることになる。〈いのち〉(〈生命〉)の場所的な与贈が大きな活きをするのである。

 

◇場所における共存在の意義

・生きものである我々人間にとって場所における共存在は至上の意義をもっている。その共存在は〈いのち〉のドラマ(〈生命〉のドラマ)によって生まれるものである。

・その根底にある活きは〈いのち〉(〈生命〉)の場所的与贈であり、その場所に与贈循環が生まれることによって、〈いのち〉のドラマ(〈生命〉のドラマ)が進行して、場所の活きに包まれた存在が共存在の形で生まれるのである。

・人間は一人だけで場所から離れて生きていくことはできない。与贈先を求める存在である。

 

◇場所に与贈することで与贈循環が生まれることが重要

・存在者が自己の〈いのち〉(〈生命〉)を他の存在者に与贈するだけでは、関係は深まるけれど、〈いのち〉のドラマ(〈生命〉のドラマ)は生まれない。

・やはり、場所に与贈することによって与贈循環が生まれることが必要である。

・場所に「舞台」が生まれて、その〈いのち〉の活きが「役者」としての存在者を一緒に包んで共存在をつくることが必要である。

・存在者の〈いのち〉(〈生命〉)が場所の〈いのち〉に共に包まれる〈いのち〉の循環がおきていくのである。

 

◇共存在により「ドラマ」に彩られた人生が生まれる

・「ドラマ」があって実在の歴史が生まれる。

・さまざまな「ドラマ」に彩られた人生がそこに生まれる。その人生こそは共存在の華である。自己の存在の周囲の存在者にはその華が見られる。

・人生の深い思い出は、結局、共存在の華が生まれた思い出である。それは共存在の輝きの思い出である。

 

(資料抜粋まとめ:前川泰久)

 

◎11月の「ネットを介した勉強会」開催について

楽譜のテーマ:『世界における共存在』

11月21日(第3金曜日)の17時よりの開催予定です。

ご期待ください。

 

これまでご参加下さっている方には、ご参加希望についてのお知らせを別途お送りします。

なお、新規に参加ご希望の方も、問い合わせメールアドレスへご連絡ください。

 

開催に際しては、場の研究所スタッフと有志の方にご協力いただき、メーリングリスト(相互に一斉送信のできる電子メールの仕組み)を使った方法で、参加の方には事前にご連絡いたします。

この勉強会に参加することは相互誘導合致がどのように生まれて、どのように進行し、つながりがどのように生まれていくかを、自分自身で実践的に経験していくことになります。

参加される方には別途、進め方含め、こばやし研究員からご案内させていただき、勉強会の資料も送ります。(参加費は無料です。)

 

 

 

もし、勉強会について、ご感想・ご意見がある方は、下記メールアドレスへお送りください。今後の進め方に反映していきたいと思います。

contact.banokenkyujo@gmail.com

メールの件名には、「ネットを介した勉強会について」と記していただけると幸いです。

 

なお、メールニュースが毎月届いていらっしゃらない方は、是非、ご連絡ください。

 

 

2025年11月3日

場の研究所 前川泰久