人間の身体は約60兆個と言われる非常に多数の多様な細胞から構成されていると言われています。
細胞たちは互いに独立して生まれ、生きて、死ぬという生涯をそれぞれおくっています。
また人間の〈いのち〉はその細胞たちの〈いのち〉を足し合わせたものではなく、その細胞たちの居場所としての〈いのち〉に相当しています。
つまり、多数多様な細胞たちの〈いのち〉は、人間という居場所の〈いのち〉と循環的な関係をつくりながら共存在をしているのです。
細胞たちの〈いのち〉の表現が互いに異なっているのに、細胞たちが共に生きていくことができるのは、人間という居場所の〈いのち〉を共に生み出しながら、その居場所に生まれる場に自己の存在をそれぞれ位置づけながら、その位置にふさわしいしい生き方をしていくからです。