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場の研究所メールニュース 2019年05月号

このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、「場の研究所」の関係者と名刺交換された方を対象に送付させていただいています。

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場の研究所 定例勉強会のご案内 

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  ホームページ:http://www.banokenkyujo.org/ 

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「〈いのち〉を居場所に与贈して〈いのち〉の与贈循環を生み出そう」〈いのち〉とは「存在を続けようとする能動的な活き」である。 

                        (清水博) 

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■2019年5月のメールニュースをお届けいたします。 

今回は令和になってから、初めてのニュースです。災害の無い心豊かで平和な時代を期待したいと思います。

「場の研究所」が少しでもそれに貢献できればと考えています。

 

◎2019年4月の勉強会は「場の研究所」で4月19日(金)15時から19時30分まで開催しました。15時からワイガヤ的に議論を進めて、従来通り17時より勉強会を行いました。

 

まず、15時からは、勉強会のテーマの内容をより理解しやすいように、先行的に議論する形で推進しました。

研究員の小林さん(5月からスタッフから研究員になりました)の提案で、改めて「生きている」ことと「生きていく」ことは、どう違うのか?を議論しました。

このテーマを何度も話題にしているのは、この2つ違いを知識としてではなく、一人ひとりが実感をもって理解することが大切なことだと考えるためです。

 

◎清水先生からは、〈いのち〉を舞台(場)における役者として、今、生き物一般に応用できる〈いのち〉のドラマの本を書こうとしているというコメントがありました。

自然では、さまざまな種類の生き物が「舞台」を広く共有して、互いの存在の間の関係を深めていく「共存在深化」が生物進化としておきているのではないかという話があり、さまざまな

生き物にも種を越えて触れあう喜びが見られるが、それもこの共存在深化から生まれているかもしれないと説明されました。

夫婦生活にも共存在深化が存在しているのではないかという話もありました。

 

●小林さんコメント: 

今回の15時からの時間では、

「生きている」ことと「生きていく」ことは、どう違うのか?

という問いをこれまで場の研究所で出てきた話題と結びつけながら、3月に続き比較しながら対応を話し合ってみました。

・生きている ⇔ 生きていく

・存在者   ⇔ 存在 

・居場所   ⇔ 場

 

清水先生からは

〈いのち〉を舞台(場)における役者として、生き物一般に応用できる〈いのち〉のドラマの本を書こうとしているという説明がありました。

 

また、

「生きている」は現在の選択。

「生きていく」は未来の選択。

という指摘も別にありました。

 

各自の疑問や興味を元に、これらの2つを比較したり、関連することばや概念を繋げていくことで、知識としてではなく、一人ひとりが、それぞれの経験に基づく理解に繋げることが出来た

のではないかと思います。

(そう言ったこともあって、個人的な話題も含まれるため、それぞれ具体的にここに書くことは控えようと思います。)

近頃の15時からの時間では、このような対話をベースとした方法で、勉強会(17時から)の理解の助けに繋がることを期待して取り組んでいます。

 

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★17時からの清水先生による勉強会

テーマは「もう一つの近代の柱となる「〈いのち〉とその救済」について」という予定に対し、より具体的に「生物進化における共存在深化」というテーマで開催。

 

内容としては、「生きていること、生きていくこと」について、前回ご紹介したように『既に、「〈いのち〉の自己組織」にも書いてきたが、実際には2007年にこのテーマについて考えていた資料があり、改めて見直すと良い内容なので、合わせて検討していきたい。』ということから、前回に続きよりわかりやすい資料をベースに勉強会がスタートしました。

 

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テーマ:「生物進化における共存在深化」

 

生命科学は大きな業績を上げてきましたが、それはアトミズムから出発して、物理学的法則性に基づいて生命現象を解明していこうとするものです。

つまり生命体を構成する物質を分離したり、マークしたりして、その構造と機能を物理科学によって精密に調べて、生命体におけるさまざまな生命現象を解明していく研究です。ここにDNAによる遺伝情報の伝達や発現を加えなければならないことはもちろんです。この生命科学の研究からは存在者(モノ)としての生命体の「生きている」状態が解明されていきます。

 

しかしこれ以外にも、生き物の場における存在を明らかにしなければ、生き物が「生きている」状態は分かっても、「生きていく」状態までは明らかになりません。つまり、生き物(としての人間)の主体性や主観的性質(情報の意味など)そして生物的なドラマとしての歴史を考えるための「もう一つの科学」が必要になるのです。

 

それでは、もう一つの科学の出発になるのはどんなことなのでしょうか?普遍的な出発点は生き物の〈いのち〉(存在を継続しようとする能動的なはたらき)ですが、またその〈いのち〉がしたがう法則とは何でしょうか?

それは、その生き物の内部にあって個としての〈いのち〉を超越して、地球における多種多様なき物の共存在深化のためにはたらいている「絶対の他」の(いわば地球の〈いのち〉)のはたらきです。

 

その絶対の他のはたらきは、免疫現象などに見られるように、自己の存在を越える無数の可能性を生み出しておき、その内で最適なものを環境(場)に選ばせる「逆対応」の形ではたらきます。つまり、未来を選択するものとしてはたらきますから、「生きていく」状態を生み出すのです。

 

その自己の内部における「絶対の他」のはたらきを、意識は自己の存在の場との相互誘導合致として捉えるのではないかと思われます。このような「逆対応」は創造的な問題(正解が与えられていない問題)でも、ある程度一般的に見られるのではないかと思われます。

 

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■2019年5月の勉強会のご案内

5月も従来通り、第3金曜日に大塚の「場の研究所」で勉強会を開催いたします。

◎日時:2019年5月17日(金曜日)

 15時から19時30分までの予定です。

(従来通り15時からワイガヤ的に議論を進めて17時より

 勉強会を行います。)

 

◎勉強会テーマ:

仮題:「存在」から生まれる「もう一つの近代」とは?

世界の矛盾を乗り越えて人びとが主体性を確立していく思想を考えましょう。

 

場所:特定非営利活動法人 場の研究所

住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3

Email:info@banokenkyujo.org

 

参加費:会員…5,000円 非会員…6,000円

申し込みについては、毎回予約をお願いいたします。

  (なお、飛び入りのお断りはしておりません。)

 

■編集後記

今回も、15時から「生きている」と「生きていく」について再度議論しました。そのつながりで、今回も清水先生の勉強会の内容が、わかり易くなったと思います。初めての参加の方もいましたが、最後の質問の際に、理解度が高く良い議論の場ができていたと感じました。

5月は第3金曜日の5月17日に勉強会開催です。

是非、ご参加ください。

 

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なお、今年1月からトライレベルでスタートした「哲学カフェ」ですが、正式に開催した4月は好評のうちに終了しました。

勉強会より軽い議論として進めておりますが、5月も多くの方の参加をお願いしたいと思います。

 

主旨は、1月のメールニュースに掲載した通りですが、再度お知らせします。

<告知>

場の研究所の哲学カフェ -「解くべき問題」の発見のために-4月より正式スタートした「場の研究所の哲学カフェ」の開催。

毎月第2水曜午後2時より。

次回は、5/8(水)14時からとなります。

 

-場の研究所の哲学カフェは、各自の「解くべき問題」の発見や話題となった哲学を「自分の生活の哲学として使いこなせること」などを目的としています。また、哲学的な話ができる人々との出会いの場となることも期待する一つです。-

 

◎開催日時:毎月第2水曜日 14:00から17:00

◎場所:場の研究所(地下会議室) 

 特定非営利活動法人 場の研究所

 住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3

 TEL:03-5980-7222

◎会費:2000円

◎参加申込方法と詳細:

下記「場の研究所の哲学カフェ」ページをご覧ください。

また、参加申込は、同ページ申込フォームよりお申込ください。

https://www.banokenkyujo.org/cafe/

 

定非営利活動法人 場の研究所

住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3

電話・FAX:03-5980-7222

Email:info@banokenkyujo.org

ホームページ:http://www.banokenkyujo.org