福島からの声



2022年分

福島からの声 202年06月号

今回の「福島からの声」は、詩人みうらひろこさんの詩集「ふらここの涙~九年目のふくしま浜通り~」から「まさか」という詩をご紹介させて頂きます。

 

プ-チン政権の野心ともいえるロシアのよるウクライナ侵攻は、多くの国々の支援を受けての応戦が続いていますが、いまだにその終わりさえ見えず、罪の無いたくさんの人々の命が日々失われています。その影響は、世界中の人々の心にもそして暮らしにも暗い影を落として、争いのない世界を願う未来への光をも遠ざけています。

何よりも危険なことは人々が目先の問題に足を取られて、福島の原発事故の問題に象徴されている最も大切な〈いのち〉の居場所の問題をないがしろにしてしまうことです。

今回のみうらさんの詩の「まさか」が今の私たちの前に次々に起こってきています。

「まさか」を考えることは反省から出発して考えてみるということでもあると思います。

丁寧な反省がなければ、希望ある未来を創ることは出来ません。

これまでの「まさか」から学んでいくしかないのです。

本多直人

 

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福島からの声 202年03月号

今回の「福島からの声」は、合同歌集「あんだんて」から根本洋子さん(詩人みうらひろこさん)の短歌をご紹介させて頂きます。

コロナ禍が続く世界情勢の中で、ロシアのプーチン政権による狂気に満ちたウクライナ侵攻という極めて深刻な問題が、今、世界に向けて突き付けられています。

中でも、ウクライナの原発が戦争に利用されているという事実は、原発の危険性を人災という視点から更に炙り出してきているのです。

共存在から遠ざかって自分(自国)の利益のみを拡大させていくところに、豊かな未来は

ありません。戦時下での電源確保、CO2排出という環境問題を逆に盾にして、事故後、未だに汚染水の処理の方向すら明確に見えていない原発の稼働の推進を私たちは決して許してはいけません。

現状から目を逸らさず震災後11年経った今だからこそ、故郷に帰れぬ人々の無念の声を聴き逃さないよう、しっかりと耳を傾けながら、この厳しい時代を乗り越えていく一歩を踏んでいかなくてはならないのだと思います。

本多直人

 

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福島からの声 202年01月号

今回の「福島からの声」は、詩人みうらひろこさんの詩集「ふらここの涙―九年目のふくしま浜通り―」からの連載の7回目です。

福島第一原発での事故によって発生した高濃度の放射性物質を含む汚染水。もはや、敷地内にある大型の1061基ものタンクは94パ-セント(12月現在、東京電力HPより)まで溜まってきており、処理水の海洋放出の問題も私たちの暮らしの最も身近なところにまで迫ってきているのです。コロナ禍の中、こうした私たちの〈いのち〉の未来に関わる深刻な問題がなし崩し的に進められていくことだけは避けなくてはなりません。

戦前の随筆家でもあり、物理学者でもあった寺田虎彦は、著書の日本人の自然観の中で「西欧科学を輸入した現代日本人は西洋と日本とで自然の環境に著しい相違のあることを無視し、従って伝来の相地の学を蔑視して建てるべからざる所に人工を建設した。そうして克服し得たつもりの自然の厳父のふるった鞭のひと打ちで、その建設物が実にいくじもなく壊滅する、それを眼前に見ながら自己の錯誤を悟らないでいる、といったような場合が地近ごろ頻繁に起こるように思われる。」と鋭く指摘しています。私たちの反省はこの10年で果たして深まってきたと言えるのでしょうか。今回のみうらひろこさんの詩「デブリのことなど」を皆さんにも是非読んで頂いて、廃炉の問題、処理水の問題も含めてしっかりと問いかけて頂きたいと思っています。

本多直人

 

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