メールニュース

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2019年分

場の研究所メールニュース 2019年08月号

このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、
「場の研究所」の関係者と名刺交換された方を対象に
送付させていただいています。
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場の研究所 定例勉強会のご案内 

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「〈いのち〉を居場所に与贈して〈いのち〉の与贈循環を生み出そう」 

〈いのち〉とは「存在を続けようとする能動的な活き」である。 

                        (清水博) 

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■2019年8月のメールニュースをお届けいたします。 

 

◎2019年7月の勉強会は「場の研究所」で7月19日(金)15時から19時30分まで開催しました。15時からワイガヤ的に議論を進めて、従来通り17時より勉強会を行いました。

まず、15時からは、今回も、先月に引き続き、研究員の小林研究員から、「やさしい場の理論」を参加者で読みながら議論しました。

この「やさしい場の理論」は「場の研究所」のスタッフだった、水谷仁美さんが清水先生の理論をベースに2015年にわかり易く資料化したものです。今回は初参加の方にも理解していただけるように、また先月参加された方々は復習の意味を踏まえ〈いのち〉について説明していきました。

そして、前回も説明してきた「見えるもの」:「存在者」と「見えないもの」すなわち「存在」というような紹介をしながら進めました。特に、「意味」は見えないので「暗在的」、「記号」は見えるので「明在的」であること、現在の「多数の原理」から「多様の原理」という時代になるべきであるという説明など清水先生が具体的にされて、より理解度が上がったと思います。

 

●小林さんコメント: 

「やさしい場の理論」の復習的な読み合わせからスタートしました。

「〈いのち〉の定義」、「明在と暗在」、「近代文明の命の概念と場の理論の〈いのち〉の概念」と進んでいく中で、今回の15時からの会は、少し哲学カフェのような対話の場となりました。それぞれの考える「暗在的」についての意見交換は、一人ひとりの具体的な話で表されており、とてもよい時間だなぁ、と嬉しくなりました。

 

暗在的の理解、場の理論の〈いのち〉の概念の理解の難しさは、難解であるということではなく、これまでの自分の考えの土台とは違う基盤を作る必要が在るという点ではないだろうか、と改めて思いました。

それは、「やさしい場の理論」の中の「ここで認識を改める気持ちになって読んでいただきたいです」という一文に、参加者のお一人が、「この認識を改めるということは、これまでの自分の人生を否定することと同じと言ってよく、とても難しい(でも、そうする大切さも分かる)」とおっしゃったことから感じたことでもあります。

 

存在は暗在的で自己の内部に存在しています。暗在的を理解しようとして、見えないことを見えることに置き換えて理解しようとしてしまうやり方は、存在を存在者として語ることに通じますが、同時に生きにくさを生み出します。

これをどうストップするかが、ここで肝心なことといえるのではないでしょうか。そして、この勉強会で何を学んでいるのか、というと、この見えないことを見えないことのままに捉え扱い、他者と話ができるようになる、ということも一つなのではないかと思いました。

 

以上。

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★17時からの清水先生による勉強会

 

テーマは「自己と存在の宇宙」で、先生が作成されたプリントをベースに進めました。主観的宇宙と客観的宇宙の話から始まりました。当日の資料をベースに先生がわかり易くした内容を下記に紹介いたします。

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「自己と存在の宇宙」

 人間をはじめ、さまざまな動物が一つの場所に存在しているときには、「この場所で自己がこのような行動をすると、どういうことがおきるか」と、未来におきるできごとへの見当を付けながら行動します。生きものに、この未来のできごとへの見当を与えるはたらきを見当識と呼びます。たとえば式場の種類によって、私たちの気持ちが変わることからも分かるように、場の状態は見当識を与えるはたらきをします。

 

 人間が精神的に成長して青年になってくると、哲学への目覚めがおきます。それは自己の存在への目覚めです。「自分自身はこの広大な宇宙の歴史のなかで過去に存在したことがなく、また未来に再び存在することもない唯一の存在者として、宇宙の「いま、ここ」に、極めて短い時間の間だけ存在しているもので
ある。その自己に死がおきるのは何よりも確実であるが、それが何時おきるかは不明で、今日おきるかも、また明日おきるかもしれない」という形で、自己の人生への見当識を哲学的に受け入れていきます。この自己の存在への自覚をもつことによって、自己の人生を意義深く全うしたいという気持ちが湧いてくるわけですが、ここで自己の人生に見当識を与える宇宙は「主観的宇宙」と呼ばれるものであり、科学が明らかにしていく「客観的宇宙」とは異なるものです。

 

 自己の存在という「鍵」に対して「鍵穴」となって、「明日の世界」への見当識を与える相互誘導合致の活きを生み出すことができる宇宙は主観的宇宙であって、客観的宇宙ではありません。この宇宙的な相互誘導合致から、真善美も生まれます。存在の観点から見ると、自己と宇宙は鍵と鍵穴の関係になりますが、宇宙の存在者という科学的(主客分離的)な観点から見ると、自己は宇宙の超々極微の部分にしかすぎません。なぜこのように大きな差異が生まれるのでしょうか。

 

それは客観的宇宙が科学的(客観的)に確認される宇宙であるのに対して、主観的宇宙は自己の存在に大きな意味を与えるように自己によって構成される人生という「〈いのち〉のドラマ」が演じられる「劇場」であるからです。つまり、主観的宇宙は、自己が生きていく「人生」という〈いのち〉のドラマが演じられる----したがって人生というドラマが日常的に演じられていく
「舞台」(場)がその中にある----壮大な「劇場」として自己によって創出される「宇宙」なのです。

 

 アルツハイマー型の認知症では、場所的な情報を表している大脳旧皮質の海馬という組織が障害を受けることによって、相互誘導合致がおきにくくなるために、場所に対する見当識の活きや、場所的な真善美に対する感覚が衰えて、徘徊やいろいろな障害が現れるのではないかと思われます。このことから推定すると、主観的宇宙は海馬中心に自己の身体につくられる内在的宇宙です。それは、自己がその人生を未来に向かって生きていくときに、自己の人生という鍵の形を鍵穴として誘導する哲学的な見当識を与えます。

 

一方、自己の存在という鍵は、鍵穴として主観的宇宙という劇場に生まれる場(舞台)と相互に誘導し合いながら、その具体的な形(人生)を決めていきます。その舞台が存在する主観的宇宙(内在的宇宙)がピカートの「沈黙の世界」に相当しており、それが言語をはじめとして、その人の〈いのち〉の
ドラマに根源的な意味を与えます。(ピカート『沈黙の世界』みすず書房)

 

これらのことを、人間と情報の関係から振り返ってみましょう。「存在者としての情報」は意味をもたない記号であり、「存在としての情報」はその意味です。したがって記号に意味を与えるためには、その記号を相互誘導合致によって位置づける「舞台」(場)が必要になります。ピカートの「沈黙の世界」(暗在的世界)は、その舞台にさらに深い哲学的または宗教的な意味を与える「劇場」です。

 

またピカートが『沈黙の世界』のなかでいう「騒音」は、このような「劇場」に場所的に位置づけられていないために表面的な意味しか表現できず、二度とない貴重な人生の意味をしっかり語ることができない言語です。このような騒音が人間の社会に溢れると、〈いのち〉と社会の関係がうすれていきます。情報化していく資本主義経済の拡大競争にともなって、急速に世界に増えていくものがこの「騒音」です。それは使い捨てられていく記号ですが、その記号を足場にして、グローバル化した資本主義社会が巨大な蜃気楼のように地球の上に現れているのです。

 

その蜃気楼のような社会で見失われていくものが、人間の〈いのち〉の存在です。〈いのち〉とのつながりをもたないその社会では、人間はその存在を無視されて「働く存在者」と見なされ、AIロボットと実質的に変わらないような存在意義しか与えられないからです。

 

現代社会のこの蜃気楼的な状態から抜け出すために、何人かの人びとの〈いのち〉のために、社会的に開かれた居場所(〈いのち〉のオアシス)をつくって、個人々々がその居場所へ〈いのち〉の与贈をおこなうことで、〈いのち〉の自己組織によって生まれる場を共有する試みがさまざまな形で試みられるようになってきました(清水 博『〈いのち〉の自己組織』東大出版会)。
そして居場所に生まれる場(居場所の〈いのち〉)にそれぞれが相互誘導合致的に包まれることによって、互いの内在的宇宙(沈黙の世界)をつなぐ試みがなされています。〈いのち〉のオアシスでは、それぞれの内在的宇宙が互いに開かれることが必要で、そのために互いの話を傾聴し合うことが必要ですが、存在の多様性が重要であることからも、内在的宇宙が同じになる必要はありません。

 

現在社会の深刻な特徴は、このような〈いのち〉のオアシスづくりを、個人のレベルでいろいろ実行していかなければ、人間らしい意味のコミュニケーションができなくなっているために、共に生きていくことさえ難しくなってきていることです。ナチの強制収容所における過酷な生活にたえて生き延びたフランクルがいうように、存在者として生きていくことが困難な環境で生き続けていくためには、それぞれの日常的な生活の場と内在的宇宙とのつながりをつくって、〈いのち〉のドラマを積極的に演じていくことが必要でした。
(ヴィクトール・フランクル『夜と霧』みすず書房)

 

〈いのち〉のオアシスは、人間の社会の情報的構造を底辺から変えていく活きをしていく可能性があります。
(〈いのち〉のオアシスについては、9月7日にシンポジウムを開く予定です。)

 

                          以上

 

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■2019年8月の勉強会は中止いたします。

8月はお盆の時期と第3金曜日が当たるため中止となります。その代わりというわけではありませんが、毎月第2水曜日に開催している「哲学カフェ」も、同様の理由から、第一水曜日に変更したいと思います。ご了承ください。

従って、8/7(水)14時から「哲学カフェ」開催となります。イベントはこれだけです。

 

9月は、9月7日(土曜日)にシンポジウムを開催します。

詳細は後述してありますので、ご参照ください。

そして、第2水曜日の「哲学カフェ」はシンポジウムの終了後すぐですので中止致します。第3金曜日の20日は「勉強会」の開催予定ですが、勉強会ではなく「哲学カフェ」にして、多くの皆さんとシンポジウムの振り返りをしたいと考えています。また、ご案内を9月のメールニュースで致します。


■編集後記 
今回も15時から「やさしい場の理論」について、「存在」と「存在者」というように、「見えないもの」と「見えるもの」を明確にいきながら、「居場所の〈いのち〉」について理解をしてもらいました。

7月に続き、多くの方の参加をいただき、大変密な議論ができました。勉強会の感想として、とても来て良かったという声もいただきました。

8月は上記の通り、8月7日の「哲学カフェ」のみです。また、9月7日開催のシンポジウムに多くの参加を、是非、よろしくお願いいたします。

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■8月のイベント:「哲学カフェ」

◎日時:8月7日(水曜日)14時から17時ごろ

◎場所:場の研究所(地下会議室) 

 特定非営利活動法人 場の研究所

 住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3

 TEL:03-5980-7222

◎会費:2000円

◎参加申込方法と詳細:

下記「場の研究所の哲学カフェ」ページをご覧ください。

また、参加申込は、同ページ申込フォームよりお申込ください。

https://www.banokenkyujo.org/cafe/

 

 

■9月のイベントのご案内

 

★場のシンポジウムのご案内

場の研究所では、以下の日程で

「第4回 場のシンポジウム 2019 」を開催します。

 

場のシンポジウム 2019「〈いのち〉のオアシス」

〜生きにくい社会の形を底辺から変えていく〜

 

〈シンポジウム開催にあたって〉

2016年より、年に一度、場の研究所の活動の基点として、「場のシンポジウム」を開催しており、今年は、第4回となります。

 

今年のシンポジウムの趣旨は…。

環境が厳しく自己の〈いのち〉を維持することが困難な状態になると、人は居場所をつくり、その居場所に自己の〈いのち〉を与贈しようとする本能的な活きをもっています。自己の〈いのち〉を与贈することによって、自己の〈いのち〉

を守るのです。ここでは、これら居場所を「〈いのち〉のオアシス」と呼んで

みようと思います。市場主義経済の歪みによって、社会的に利己的な動きが強まってくると、その裏でさまざまな「〈いのち〉のオアシス」が社会に生まれて、社会のシステムを底辺から変えていく活きをします。場の研究所のシンポジウムでは、その原理と「〈いのち〉のオアシス」の実例を紹介しながら、これからの社会の動きと期待について話し合い、自己の利益中心的な市場原理を乗り越えるための形を、未来に向かってはっきりと主張していきたいと思います。

 

〈いのち〉:自己の存在を継続的に維持しようとする能動的な活き

   与贈:見返りを期待することなく与え贈ろうとすること

 

以上。

(場の研究所 所長 清水 博)

 

 

〈開催概要〉

場のシンポジウム 2019「〈いのち〉のオアシス」

〜生きにくい社会の形を底辺から変えていく〜

 

日時:2019年9月7日(土曜)13:00(開場)13:30-18:00

場所:エーザイ株式会社 大ホール(東京都文京区小石川4-6-10)

主催:NPO法人場の研究所

共催:エーザイ株式会社

参加費:一般 3,000円 会員 2,500円 学生 1,000円

(※シンポジウムは、どなたでもご参加いただけます。)

 

(※ 参加申込方法は、追って場の研究所ホームページまたは
メールニュースにてお知らせいたします。)

場のシンポジウム2019の最新情報は、以下のURLから。

https://www.banokenkyujo.org/symposium2019

 

定非営利活動法人 場の研究所
住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3
電話・FAX:03-5980-7222
Email:info@banokenkyujo.org
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場の研究所メールニュース 2019年07月号

このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、
「場の研究所」の関係者と名刺交換された方を対象に
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場の研究所 定例勉強会のご案内 

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「〈いのち〉を居場所に与贈して〈いのち〉の与贈循環を生み出そう」 

〈いのち〉とは「存在を続けようとする能動的な活き」である。 

                        (清水博) 

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■2019年7月のメールニュースをお届けいたします。 

 

◎2019年6月の勉強会は「場の研究所」で6月21日(金)15時から19時30分まで開催しました。15時からワイガヤ的に議論を進めて、従来通り17時より勉強会を行いました。

まず、15時からは、今回も、先月に引き続き、勉強会のテーマの内容をより理解しやすいように、研究員の小林研究員から、「やさしい場の理論」を参加者で読みながら議論しました。

この「やさしい場の理論」は「場の研究所」のスタッフだった、水谷仁美さんが清水先生の理論をベースに2015年にわかり易く資料化したものですが、今回は初参加の方もいたことから、既に先月参加された方々は復習の意味を踏まえ、最初から進めました。この資料は、次回も継続して読んでいきます。

 

●小林さんコメント: 

対話の中で印象的だったことは、「やさしい場の理論」本文中の下記の文を受けて、インターネット上のつながりだけでは居場所の〈いのち〉は生成されないのか?という議論がありました。

(注:このコメント内の「・・・」は資料抜粋です。)

 

「”…内在的世界がつながるには、まず居場所に〈いのち〉を与贈して居場所の〈いのち〉を生成することが必要だということです。インターネット上だけのつながりは、まるでつながっているように感じても外在的世界のつながりだけですので、本当にはつながっていいないと思われます。…”」

 

この話のポイントは、内在的世界(暗在的世界)の理解にあるように思われます。内在的世界がつながる、とは、どういうことなのでしょう。内在的世界とは、本質的に見えない(近代科学では観測できない)とは、どういうことなのでしょう。

 

勉強会の対話の中で、清水先生は、「意味を与えてもらえるためには何が必要なのか?」と問われました。「舞台(場)があって、情報に意味が生まれるんです」大切なことは、「未来から現在を見る、全体から部分を見る、居場所から私を見る」ことです。

 

これらを合わせて、改めて、自己それぞれの内在的世界(暗在的世界)は、何が大切なのか、自分の身において考えてみることが必要なのではないかと思いました。

 

 

以下、今回のサマリーになります。


「やさしい場の理論」から

「#02 〈いのち〉について

#03 外在的世界(明在)と内在的世界(暗在)

#04 近代文明の命の概念と場の理論の〈いのち〉の概念

#05 居場所とは:構造を卵モデルでみる」

(ここまで、詳しくは、先月のメールニュースを参照して
ください。)

加えて、この日は、以下を読み進めました。

 

「#06 居場所に〈いのち〉が生成されるには

居場所のどこにでも〈いのち〉があるわけではありません。
私たち生きものが〈いのち〉を生成させるようにしないと
居場所に〈いのち〉は生まれないのです。」

 

居場所に〈いのち〉をどう生み、何が起こるか説明したいと思います。

1)与贈をする

まず居場所に〈いのち〉を生むために“与贈“をする必要があります。

“与贈”とは、贈り手が自己の名をつけずに贈ること。個人としての活きを抑え、その居場所のものとなって居場所のために〈いのち〉を使うこと。」

 

2)居場所に〈いのち〉が生まれる(内在)

生きものたちが居場所に与贈をすることで、居場所の〈いのち〉が生まれます。」

 

3)居場所で自己組織がおこる

生きものたちが与贈をした〈いのち〉が、居場所で自己組織的につながることで、居場所の〈いのち〉がうまれます。」

 

 

4)居場所から与贈される

居場所で自己組織がおきて居場所の〈いのち〉が生まれると、今度は居場所から生きものへ、その〈いのち〉が与贈されます。ここでいう与贈とは、生活の舞台となる場が“〈いのち〉のシナリオ”と共に届くことです。」

 

5)生きものが場を介してつながる

明在的世界ではつながらない生きもの同士が、〈いのち〉の自己組織によって生まれた場を媒介することで、内在的世界でつながることができます。」

 

このように、居場所に居場所の〈いのち〉が生成されることで、居場所で

〈いのち〉の自己組織が起こり、内在的世界でつながりながら、さらに

〈いのち〉の与贈を次々と繰りかえすことを”〈いのち〉の与贈循環”と

いいます。」

 

 

以上。

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★17時からの清水先生による勉強会

 

テーマは「順行性の行動と逆行性の行動」ということで、先生が作成されたプリントをベースに進めました。

これまで、先生がテーマとして、「生きている」ことから「生きていく」ことへの考え方を時間に関係づけてさらにわかり易くするために、順行性と逆行性という表現で説明されました。

 

その中で、1982-87年に開かれた「バイオホロニクス」という研究プロジェクトの専門委員を当時清水先生がされていたこともあり、そのプロジェクトでの研究を映像に記録したヨネ・プロダクションの人が映像のDVDを持参されて、勉強会で解説を依頼されました。清水先生は、証明はできないけど、生体の中で免疫を担当するマクロファージの行動をみると、場に誘導されて相互誘導合致という法則で行動している可能性もあるという話をされました。

 

その相互誘導合致を、誘導を受けるマクロファージから見ると、場によって見当識を与えられて行動していることになり、これは人間が大脳旧皮質の海馬の活きによって見当識を得て、場所的な空間を行動することに対応するとのことです。アルツハイマー型の認知症では、海馬の機能が衰えて、この場所的な見当識を失われるために徘徊します。見当識にしたがって行動することが未来の方から現在を見て行動する逆行性の行動であり、感覚器で認識することができる情報を得てその目標に向かって、つまり現在の方から未来の方に向かって行動することを順行性の行動と名付けて、次のような資料にしたがって説明されました。

 

では、先生の資料を紹介いたします。

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「順行性の行動と逆行性の行動」

私たちが何かをつくるときには、部分から始めて目的とする全体をつくっていきます。

そのために、作業の途中では、現在は部分をつくっていて、全体はいつも未来にあるという関係になります。初めての物づくりでは、どのような未来が自分を待っているかは、現在の自分には分かりません。そのために、どのように進めば
よいかも分からず、迷路を進むような状態になってしまうこともあります。その時に、全体は大凡このようなものだというイメージがあれば、それが作業の進行に見当を与えますから、見当識と言われるのです。

 

人間や動物の大脳で、場所の見当識をあたえる役割をしているのが大脳旧皮質の海馬であり、そして進行方向を決定しているのが新皮質の前頭葉です。アルツハイマー型の認知症ではこの海馬の機能が失われるために、場所に対する見当識がなくなって徘徊がおきると言われています(小澤勲『痴呆を生きるということ』岩波新書)。

 

家族が居場所としての家庭で、生活という「〈いのち〉のドラマ」を共に演じながら生きていくときには、ほとんど迷わずに、自分が現在すべきことをしていくことができます。それは「この状況の下では、自分は何をすべきか」という見当識が生まれているので、その見当識にしたがって行動していくからです。このことを分かりやすく表現しているのが、私の「鍵穴と鍵の相互誘導合致モデル」です。鍵穴の形が居場所の状況すなわち居場所に生まれる場を表現しています。

 

その鍵穴の形に自己の状態に相当する鍵の形が誘導されていくことが、自己(新皮質)が場(旧皮質)から見当識を受けて行動することに相当します。相互誘導合致は鍵穴に相当する場が鍵に相当する自己に見当識を与えて、その居場所における自己の状態を誘導していくことに相当します。

(自己の状態が変化すれば、それに応じて場も変わるので、場と自己は相互に誘導し合うことになるのです。)

 

大脳新皮質で生まれる人間の論理は一口に言って、部分から全体を組み立てる物づくりの論理です。それは現在から未来へ進む順行型の論理です。これに対して、見当識は全体の方から部分に活きかける、つまり未来の方から現在に活きかけてくる逆行型の論理です。場から始めると言うことは、この逆行型の論理で行動するということです。このことから家庭における〈いのち〉のドラマは逆行型の論理で演じられていく即興劇であると言うことができます。

 

居場所の未来の方から現在の状況を逆行的に見る、場の方から自己の存在を捉えるということは、どうしてできるのでしょうか。それは自己と居場所の関係によって決まります。部分の方から全体を見ることは、現在から未来の方を見ることに相当します。その逆に全体から部分の方を見ることは、未来から現在の方を
見ることに相当します。自己(部分)と居場所(全体)が分離していれば、部分の方から全体の方を見ることになるので順行型の論理が、非分離であれば全体の中に部分を捉えることになるので逆行型の論理が現れるのです。

 

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■2019年7月の勉強会のご案内

7月も従来通り、第3金曜日に大塚の「場の研究所」で勉強会
を開催いたします。
◎日時:2019年7月19日(金曜日)
 15時から19時30分までの予定です。
(従来通り15時からワイガヤ的に議論を進めて17時より
 勉強会を行います。)

◎勉強会テーマ:
仮題:『夜と霧』:強制収容所と〈いのち〉の与贈 

 

場所:特定非営利活動法人 場の研究所
住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3
Email:info@banokenkyujo.org

参加費:会員…5,000円 非会員…6,000円
申し込みについては、毎回予約をお願いいたします。
  (なお、飛び入りのお断りはしておりません。)

■編集後記
今回も、15時から「やさしい場の理論」について、資料の読み合わせをしながら、場の理論のベースの考え方をゆっくり理解していきました。初めての参加の方もいらっしゃったので大変良かったと思います。この資料は来月も継続しますので、興味のある方は是非、ご参加ください。。

 

また、清水先生の勉強会は、研究所側のメンバーも入れて約20名と6月に続き、多くの方の参加をいただき、お互い密な雰囲気で議論ができました。

最近は、初めて参加される方が、既に清水先生の本を読んでからご参加くださっていることから、大変理解度が高いという印象を受けました。皆さん終了後も議論が個別に続いていたり、勉強会の感想としてとても来て良かったという声もいただきました。

今後もこのような勉強会を継続していきたいと思います。

 

7月は第3金曜日の7月19日に勉強会開催です。

是非、ご参加ください。

 

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★なお、毎月第2水曜日に開催している「哲学カフェ」も4月から開催しておりますので、是非ご参加ください。

次回は、7/10(水)14時からとなります。

 

主旨は、1月のメールニュースに掲載した通りですが、再度お知らせします。

<告知>

「哲学カフェ」 -「解くべき問題」の発見のために-

-場の研究所の哲学カフェは、各自の「解くべき問題」の発見や話題となった哲学を「自分の生活の哲学として使いこなせること」などを目的としています。また、哲学的な話ができる人々との出会いの場となることも期待する一つです。-

 

◎開催日時:毎月第2水曜日 14:00から17:00

◎場所:場の研究所(地下会議室) 

 特定非営利活動法人 場の研究所

 住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3

 TEL:03-5980-7222

◎会費:2000円

◎参加申込方法と詳細:

下記「場の研究所の哲学カフェ」ページをご覧ください。

また、参加申込は、同ページ申込フォームよりお申込ください。

https://www.banokenkyujo.org/cafe/

 

 

定非営利活動法人 場の研究所
住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3
電話・FAX:03-5980-7222
Email:info@banokenkyujo.org
ホームページ:http://www.banokenkyujo.org

 

場の研究所メールニュース 2019年06月号

このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、
「場の研究所」の関係者と名刺交換された方を対象に
送付させていただいています。
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「〈いのち〉を居場所に与贈して〈いのち〉の与贈循環を生み出そう」 

〈いのち〉とは「存在を続けようとする能動的な活き」である。 

                        (清水博) 

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■2019年6月のメールニュースをお届けいたします。 

 

◎2019年5月の勉強会は「場の研究所」で5月17日(金)15時から19時30分まで開催しました。15時からワイガヤ的に議論を進めて、従来通り17時より勉強会を行いました。

まず、15時からは、勉強会のテーマの内容をより理解しやすいように、先行的に議論する形で推進しました。

研究員の小林研究員から、「やさしい場の理論」をあらためて参加者で読み直してみるという提案があり、第一回としてトライしました。この「やさしい場の理論」は「場の研究所」のスタッフだった、水谷仁美さんが清水先生の理論をベースに2015年にわかり易く資料化したものです。

前半の部分をプリントしてゆっくり、読みながら進めました。

この資料は、次回も継続して読んでいきます。

 

●小林さんコメント: 

「生きている」ことと「生きていく」ことはどう違うのか。今、場の研究所では、このことをちゃんと分かるためには、どうしたらいいだろう、と頭を悩ませています。

 

私も、10連休の間、脳みそが沸騰しそうになりながら考えていました。その中で、もう一度基礎的なことを学び直してみようと考えて、「やさしい場の理論」を読み返してみたところ、新しい発見や当時読み違えていたことなど再発見がありました。そこで、今回行ったのは、「やさしい場の理論」をみなさんと読み進めながらの、場の理論の基礎の学びなおしです。

 

以下、今回の要約です。

(当日は、「やさしい場の理論」を補完する清水先生の解説もありましたので、それも含めています。)

 

・〈いのち〉について

近代科学では客観的に目に見える現象としての「生命」が研究の対象とされてきました。しかし、現在起きている多くの問題に、近代科学の理論だけでは解決できない限界にきています。そこで、場の理論では、近代科学で「生命」とほとんど区別なく使われてきた「命」とは異なって、人間を含めた生きものが

共通してもっている「存在し続けようとする能動的な活き」を〈いのち〉と呼ぶことにしました。

 

「生命」は、名詞的であり、科学で観測可能であるのに対して、〈いのち〉は、動名詞的で(活きとして)あり、近代科学では観測不可能である点は重要です。スピノザのコナトゥス「自分の存在を維持しようとする力」とは、近いものがあると言えます。

 

・外在的世界(明在)と内在的世界(暗在)人間は、対象を自己の存在の外側の世界に位置付けることで、それを明在的に認識します。このように明在的に認識される対象が集まっている世界を外在的世界(目に見える外側の世界)と

呼びます。

これに対して、内在的世界とは、そこに存在していることが目に見えない内側の世界です。目に見えないので、暗在的な世界になります。

 

”自己の〈いのち〉”は、自己自身の存在と〈いのち〉を切り分けることはできません。確かに自己が存在していることはわかっていますが、それを外側の世界に取り出して、明在的に捉え、科学的な手段で観察することができない暗在的なものです。自己自身の活きと分離できない世界を内在的世界と呼びます。

 

・近代文明の命の概念と場の理論の〈いのち〉の概念

「一般的には近代文明の概念が当たり前の考え方になっているはずです、でも、ここで認識を改める気持ちになって読んでいただきたいです」という水谷さんの書き出しが印象的で、またとても大事な点であると私も思っています。

 

>近代文明の命

主客分離。

目で見える外在的世界で物質として捉えている。

内側の自己を見るという行為自体がない。

家庭に〈いのち〉があるといった考えはない。

 

>場の理論の〈いのち〉

主客非分離。

目には見えない内在的世界を含んだ捉え方。

自己は目でみることはできないが、内側に確実に存在し続けようという姿勢としてある。

家庭の〈いのち〉は、家族と共に過ごすことで存在し続ける。

 

一領域な近代文明と二領域ある場の理論になります。

(注意:外在的世界と内在的世界の対立ではなく、一領域(外在的世界のみ)と二領域(外在的世界と内在的世界)の対立である。)

 

・居場所の構造について

居場所の構造を卵モデルでみる。(卵モデルは、居場所の構造を表している。)

割り落とした卵ふたつを思い浮かべてみます。白身同士は互いに馴染んでひとつになります。しかし、黄身同士は、くっついてひとつになることはありません。このとき、白身に相当するのが”場”になります。

その場のなかにいる黄身に相当するのが”生きもの”です。

暗在的なので、”これが場の〈いのち〉です”と指すことはできません。

ですが、存在している生きものの〈いのち〉をすべて包むようにあるのが場の〈いのち〉になります。

 

(白身が広がる境)境界については、私たちの身体のように境界(器)がはっきりしている場合と、くっきり線引きできるような定されたものではない場合があります。固定されていないと言っても「広がる範囲に限定がある」ものです。

 

以上。

 

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★17時からの清水先生による勉強会

テーマは「暗在的な存在としての時間」ということで、「生きている」ことと「生きていく」ことの違いに関連させながら議論しました。

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この勉強会の話題、「生きている」ことと「生きていく」ことにしたがって、さまざまなものを見えるもの(明在)と見えないもの(暗在)とに分けてみました。

 

   生きている(reality)⇔   生きていく(actuality)

   存在者        ⇔   存在

   居場所        ⇔   場

   生命         ⇔  〈いのち〉

   個体性        ⇔   主体性

   相違性        ⇔   多様性

   記号情報       ⇔   意味情報

   空間(明在)     ⇔   時間(暗在)

 

左側は見えるもの(明在的なもの)、右側は見えないもの
(暗在的なもの)です。

 

時間というものは空間的な変化を特徴づける物差しとして導入されています。地球の自転や公転によって時間を定義することもそうです。私たちと空間の関係は目に見える明在的な関係ですが、私たちと時間の関係は暗在的な関係であるために、時間そのものを直接的に測定できないために、いつも空間の変化を

通して時間の長さを間接的に定義しているのです。

 

でも、時間が空間の変化との関係を離れて、時間として存在していくのが〈いのち〉です。〈いのち〉の定義は「自己の存在を継続的に持続させる能動的なはたらき」ということですが、このことは「時間が刻々と生まれて、未来に向かって続いていく」と表現することができます。

 

私たちが生きていくときには、このように時間の生成が続きます。しかし、その時間そのものは暗在的で直接観察できないので、見かけの上では、「生きていく」ことと「生きている」こととは、区別できないのです。暗在的な存在としての時間、または〈いのち〉(時間の活き)が含まれていれば、〈いのち〉の活きによってそれを観察することができないために、暗在的になるのです。

 

つまり空間と私たちの〈いのち〉の関係は選択することができますが、時間と私たちの〈いのち〉の関係はどこかで深くつながっていて、空間を選択する形で間接的におこなうしか方法がありません。基本的には、時間そのものは〈いのち〉にくっついているために、それを受け入れていくしかありません。これまでの

科学は明在的な存在者を研究してきましたが、「もう一つの科学」は暗在的な存在を研究していきます。したがって、これまでの科学は「空間の科学」の形をとっていますが、もう一つの科学は「時間の科学」の形になるのです。

 

このように考えてみると、左側に書いた明在的な項目は人間の意志によって選択したり、つくり出したりできるものであり、右側の暗在的な項目はそれが個人の意志で自由に動かせないものです。また明在的なものは、問いかけ方も明在的になりますから、存在する条件さえ明確にできれば、正解を求めることができます。しかし、暗在的なものは見えないわけですから、その条件を明確にすることができず、ハウツーの形で示すこともできません。与えられた条件の下でできる限りのことをして、その結果を受け入れることしかできません。

 

上の明在的な項目と暗在的な項目全体を眺めてみると、人間の文明が明在的な「空間の文明」の形から暗在的な「時間の文明」へ向かって変化をしていることに気づきます。

 

近代文明は、人間が明在的な視野によって地球を設計していこうとする存在者中心の「空間の文明」でした。しかしその形では正解が出てこない暗在的な問題が存在して人間の運命を決めていくことに気づきだしたのが現在かもしれません。

 

現在の資本主義経済は空間としての地球の上に成り立っています。
しかし、それ最近では、場そのものに経済的価値があることが知られ始め、小規模ながらさまざまな場づくりが始まっています。その場に、人びとを引きつけることができる魅力を与えるものが与贈で、「空間的な経済」のギブ・アンド・テイクの関係を越えるはたらきをしています。

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■2019年6月の勉強会のご案内

6月も従来通り、第3金曜日に大塚の「場の研究所」で勉強会を開催いたします。
◎日時:2019年6月21日(金曜日) 15時から19時30分までの予定です。
(従来通り15時からワイガヤ的に議論を進めて17時より 勉強会を行います。)

◎勉強会テーマ:
仮題:本当の出会いとは何だろうか?〈いのち〉からの解釈 

 

場所:特定非営利活動法人 場の研究所
住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3
Email:info@banokenkyujo.org

参加費:会員…5,000円 非会員…6,000円
申し込みについては、毎回予約をお願いいたします。
  (なお、飛び入りのお断りはしておりません。)

■編集後記
今回も、15時から「やさしい場の理論」について、資料の読み合わせをしながら、場の理論のベースの考え方をゆっくり理解していきました。初めての参加の方もいらっしゃったので

大変良かったと思います。この資料は来月も継続しますので、興味のある方は是非、ご参加ください。

 

また、清水先生の勉強会は、研究所側のメンバーも入れて20名を越える、多くの方が参加され、大変良い議論ができました。

最後の質問の際には、特に皆様から多くの意見が出て場の理論のいろいろな側面での捉え方や理解があり、内容の濃い議論ができていたと感じました。

 

6月は第3金曜日の6月21日に勉強会開催です。

是非、ご参加ください。

 

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★なお、毎月第2水曜日に開催している「哲学カフェ」も4月から開催しておりますので、是非ご参加ください。

次回は、6/12(水)14時からとなります。

 

主旨は、1月のメールニュースに掲載した通りですが、再度お知らせします。

<告知>

「哲学カフェ」 -「解くべき問題」の発見のために-

-場の研究所の哲学カフェは、各自の「解くべき問題」の発見や話題となった哲学を「自分の生活の哲学として使いこなせること」などを目的としています。また、哲学的な話ができる人々との出会いの場となることも期待する一つです。-

 

◎開催日時:毎月第2水曜日 14:00から17:00

◎場所:場の研究所(地下会議室) 

 特定非営利活動法人 場の研究所

 住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3

 TEL:03-5980-7222

◎会費:2000円

◎参加申込方法と詳細:

下記「場の研究所の哲学カフェ」ページをご覧ください。

また、参加申込は、同ページ申込フォームよりお申込ください。

https://www.banokenkyujo.org/cafe/

 

 

定非営利活動法人 場の研究所
住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3
電話・FAX:03-5980-7222
Email:info@banokenkyujo.org
ホームページ:http://www.banokenkyujo.org

 

場の研究所メールニュース 2019年05月号

このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、「場の研究所」の関係者と名刺交換された方を対象に送付させていただいています。

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場の研究所 定例勉強会のご案内 

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  ホームページ:http://www.banokenkyujo.org/ 

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「〈いのち〉を居場所に与贈して〈いのち〉の与贈循環を生み出そう」〈いのち〉とは「存在を続けようとする能動的な活き」である。 

                        (清水博) 

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■2019年5月のメールニュースをお届けいたします。 

今回は令和になってから、初めてのニュースです。災害の無い心豊かで平和な時代を期待したいと思います。

「場の研究所」が少しでもそれに貢献できればと考えています。

 

◎2019年4月の勉強会は「場の研究所」で4月19日(金)15時から19時30分まで開催しました。15時からワイガヤ的に議論を進めて、従来通り17時より勉強会を行いました。

 

まず、15時からは、勉強会のテーマの内容をより理解しやすいように、先行的に議論する形で推進しました。

研究員の小林さん(5月からスタッフから研究員になりました)の提案で、改めて「生きている」ことと「生きていく」ことは、どう違うのか?を議論しました。

このテーマを何度も話題にしているのは、この2つ違いを知識としてではなく、一人ひとりが実感をもって理解することが大切なことだと考えるためです。

 

◎清水先生からは、〈いのち〉を舞台(場)における役者として、今、生き物一般に応用できる〈いのち〉のドラマの本を書こうとしているというコメントがありました。

自然では、さまざまな種類の生き物が「舞台」を広く共有して、互いの存在の間の関係を深めていく「共存在深化」が生物進化としておきているのではないかという話があり、さまざまな

生き物にも種を越えて触れあう喜びが見られるが、それもこの共存在深化から生まれているかもしれないと説明されました。

夫婦生活にも共存在深化が存在しているのではないかという話もありました。

 

●小林さんコメント: 

今回の15時からの時間では、

「生きている」ことと「生きていく」ことは、どう違うのか?

という問いをこれまで場の研究所で出てきた話題と結びつけながら、3月に続き比較しながら対応を話し合ってみました。

・生きている ⇔ 生きていく

・存在者   ⇔ 存在 

・居場所   ⇔ 場

 

清水先生からは

〈いのち〉を舞台(場)における役者として、生き物一般に応用できる〈いのち〉のドラマの本を書こうとしているという説明がありました。

 

また、

「生きている」は現在の選択。

「生きていく」は未来の選択。

という指摘も別にありました。

 

各自の疑問や興味を元に、これらの2つを比較したり、関連することばや概念を繋げていくことで、知識としてではなく、一人ひとりが、それぞれの経験に基づく理解に繋げることが出来た

のではないかと思います。

(そう言ったこともあって、個人的な話題も含まれるため、それぞれ具体的にここに書くことは控えようと思います。)

近頃の15時からの時間では、このような対話をベースとした方法で、勉強会(17時から)の理解の助けに繋がることを期待して取り組んでいます。

 

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★17時からの清水先生による勉強会

テーマは「もう一つの近代の柱となる「〈いのち〉とその救済」について」という予定に対し、より具体的に「生物進化における共存在深化」というテーマで開催。

 

内容としては、「生きていること、生きていくこと」について、前回ご紹介したように『既に、「〈いのち〉の自己組織」にも書いてきたが、実際には2007年にこのテーマについて考えていた資料があり、改めて見直すと良い内容なので、合わせて検討していきたい。』ということから、前回に続きよりわかりやすい資料をベースに勉強会がスタートしました。

 

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テーマ:「生物進化における共存在深化」

 

生命科学は大きな業績を上げてきましたが、それはアトミズムから出発して、物理学的法則性に基づいて生命現象を解明していこうとするものです。

つまり生命体を構成する物質を分離したり、マークしたりして、その構造と機能を物理科学によって精密に調べて、生命体におけるさまざまな生命現象を解明していく研究です。ここにDNAによる遺伝情報の伝達や発現を加えなければならないことはもちろんです。この生命科学の研究からは存在者(モノ)としての生命体の「生きている」状態が解明されていきます。

 

しかしこれ以外にも、生き物の場における存在を明らかにしなければ、生き物が「生きている」状態は分かっても、「生きていく」状態までは明らかになりません。つまり、生き物(としての人間)の主体性や主観的性質(情報の意味など)そして生物的なドラマとしての歴史を考えるための「もう一つの科学」が必要になるのです。

 

それでは、もう一つの科学の出発になるのはどんなことなのでしょうか?普遍的な出発点は生き物の〈いのち〉(存在を継続しようとする能動的なはたらき)ですが、またその〈いのち〉がしたがう法則とは何でしょうか?

それは、その生き物の内部にあって個としての〈いのち〉を超越して、地球における多種多様なき物の共存在深化のためにはたらいている「絶対の他」の(いわば地球の〈いのち〉)のはたらきです。

 

その絶対の他のはたらきは、免疫現象などに見られるように、自己の存在を越える無数の可能性を生み出しておき、その内で最適なものを環境(場)に選ばせる「逆対応」の形ではたらきます。つまり、未来を選択するものとしてはたらきますから、「生きていく」状態を生み出すのです。

 

その自己の内部における「絶対の他」のはたらきを、意識は自己の存在の場との相互誘導合致として捉えるのではないかと思われます。このような「逆対応」は創造的な問題(正解が与えられていない問題)でも、ある程度一般的に見られるのではないかと思われます。

 

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■2019年5月の勉強会のご案内

5月も従来通り、第3金曜日に大塚の「場の研究所」で勉強会を開催いたします。

◎日時:2019年5月17日(金曜日)

 15時から19時30分までの予定です。

(従来通り15時からワイガヤ的に議論を進めて17時より

 勉強会を行います。)

 

◎勉強会テーマ:

仮題:「存在」から生まれる「もう一つの近代」とは?

世界の矛盾を乗り越えて人びとが主体性を確立していく思想を考えましょう。

 

場所:特定非営利活動法人 場の研究所

住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3

Email:info@banokenkyujo.org

 

参加費:会員…5,000円 非会員…6,000円

申し込みについては、毎回予約をお願いいたします。

  (なお、飛び入りのお断りはしておりません。)

 

■編集後記

今回も、15時から「生きている」と「生きていく」について再度議論しました。そのつながりで、今回も清水先生の勉強会の内容が、わかり易くなったと思います。初めての参加の方もいましたが、最後の質問の際に、理解度が高く良い議論の場ができていたと感じました。

5月は第3金曜日の5月17日に勉強会開催です。

是非、ご参加ください。

 

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なお、今年1月からトライレベルでスタートした「哲学カフェ」ですが、正式に開催した4月は好評のうちに終了しました。

勉強会より軽い議論として進めておりますが、5月も多くの方の参加をお願いしたいと思います。

 

主旨は、1月のメールニュースに掲載した通りですが、再度お知らせします。

<告知>

場の研究所の哲学カフェ -「解くべき問題」の発見のために-4月より正式スタートした「場の研究所の哲学カフェ」の開催。

毎月第2水曜午後2時より。

次回は、5/8(水)14時からとなります。

 

-場の研究所の哲学カフェは、各自の「解くべき問題」の発見や話題となった哲学を「自分の生活の哲学として使いこなせること」などを目的としています。また、哲学的な話ができる人々との出会いの場となることも期待する一つです。-

 

◎開催日時:毎月第2水曜日 14:00から17:00

◎場所:場の研究所(地下会議室) 

 特定非営利活動法人 場の研究所

 住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3

 TEL:03-5980-7222

◎会費:2000円

◎参加申込方法と詳細:

下記「場の研究所の哲学カフェ」ページをご覧ください。

また、参加申込は、同ページ申込フォームよりお申込ください。

https://www.banokenkyujo.org/cafe/

 

定非営利活動法人 場の研究所

住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3

電話・FAX:03-5980-7222

Email:info@banokenkyujo.org

ホームページ:http://www.banokenkyujo.org

 

場の研究所メールニュース 2019年04月号

このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、「場の研究所」の関係者と名刺交換された方を対象に送付させていただいています。

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場の研究所 定例勉強会のご案内 

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  ホームページ:http://www.banokenkyujo.org/ 

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「〈いのち〉を居場所に与贈して〈いのち〉の与贈循環を生み出そう」 

〈いのち〉とは「存在を続けようとする能動的な活き」である。 

                        (清水博) 

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■2019年4月のメールニュースをお届けいたします。 

 

◎2019年3月の勉強会は「場の研究所」で3月15日(金)15時から19時30分まで開催しました。15時からワイガヤ的に議論を進めて、従来通り17時より勉強会を行いました。まず、15時からは、勉強会のテーマの一部を先行的に議論するということで、スタッフの小林さんの提案で下記のキーワードの違いを各個人がどう考えているか、感じているかを話合いました。これは、最近AI化の話がクローズアップされて、なんでもAIが人に置き代わるように言われていますが、統計と確率そして効果効率で進める分野にとっての価値はあるかもしれませんが、これで良いのかという疑問があり、生き苦しい世の中ではいけないと感じているからです。

・生きている⇔生きていく

・存在者  ⇔ 存在 (生きていく)

・客観的  ⇔ 主観的(主体的)

清水先生から常に語っていただいているキーワードなのですがあらためて自分の言葉としてとらえると、結構理解に違いがあり、議論することで理解が深まっていったと思います。やはり、右側のキーワードを重視した社会なり人間関係が必要であると理解して終了しました。

 

清水先生からは、存在のためには居場所が重要であっても居場所を作る(能動的)⇒ 居場所が作られる(受動的)というように、右側の受け身になったものは、本来の存在としての居場所にはなりきれていなくて、居場所となるために時間が必要であるとコメントがありました。人びとの〈いのち〉が位置づけられることによって居場所が完成するからです。靴が本当の靴となるためには、そこに使い手の足が位置づけられて、使われることが必要であることに似ています。居場所に位置づけられるものは存在者(モノ)でなく、その存在(コト)です。

 

 

●小林さんコメント:

今回の15時からの時間では、「生きている」ことと「生きていく」こと、「存在者」と「存在」、「客観的」と「主観的」、これらを比較してみることで、「もう一つの科学」や「生きていく」や「存在」について学ぶ助けになればと考えて、それぞれについて、具体的に身の回りにあることを題材にしながら話し合ってみました。

 

話し合いの中で改めて実感したことは、「生きている」こと、「存在者」、「客観的」ということに、思った以上に影響を受けながら生活しているのだなぁということでした。

また、「生きている」ことと「生きていく」ことは(「存在者」と「存在」もまた)、根本的な論理が異なっていて一緒に混ぜて使うことはできないのに、それらが話の中で混在してしまい、話が混線してしまうことが見受けられました。

 

これは、これまで、「生きていく」ことや「存在」、「主観的」といったことが、明確に言葉にされてこなかった歴史が影響しているのかもしれません。

そういう意味では、これらのキーワードについて、今以上に積極的に興味を持つことが必要なのではないだろうか。

そんな思いを持った時間でした。

 

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★17時からの清水先生による勉強会

テーマは仮題「時間の自己組織と〈いのち〉のつながり」でしたが、「もう一つの科学」というテーマでお話が始まりました。内容としては、「生きていること、生きていくこと」について、『既に、「〈いのち〉の自己組織」にも書いてきたが、実際には2007年にこのテーマについて考えていた資料があり、改めて見直すと良い内容なので、合わせて検討していきたい。』というコメントを頂き、勉強会がスタートしました。

 

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テーマ:「もう一つの科学」

 

科学の特徴は自然を人間の外側に分離して観察する主客分離です。その結果、客観的な形で自然の法則が得られ、その法則を数学によって、厳密に表現する方法が開かれています。そのために、明らかにされた自然の法則を世界の誰もが知ることができ、また使うことができる道が開かれていることから、人間のために自然を活用する道が生まれて、科学的成果を人間の技術に応用していくことができるようになりました。そこで、技術の分野が急速に広がって、近代文明を飛躍的に発展させてきました。

 

またその影響を受けて医療も変わり、私たちのライフスタイルも大きく変化し、「豊かな生活」を送ることができるようになりました。このことからも、人間と科学を今後の文明から切り離すことはできません。

 

このように科学が人間の生活に大きな変化をもたらして、現代文明の柱となっている恩恵の反面で、その負の面もますます大きくなってきて、人類が存続するためにも、もはやその負の面を無視できなくなっています。それは科学成立の基盤である主客分離の影響によって、科学技術が発展するほど文明から人間の存在が大きく切り離されて、人間が居場所を失ってしまい、その主体性を維持していくことが困難になっていくことが目立ってきたからです。

 

その典型的な例が、AIロボットによって多くの人びとが職場を追われたり、日常的な生活を維持し、心のコミュニケーションに重要な役割を果たしてきた街の洗濯屋、豆腐屋、理髪店などが人びとの周辺から消えていき、高齢者を始め、生活の弱者が孤立化していくことです。つまり、人間が受動的な立場におかれて、その日常生活から生き甲斐が消えていくのです。

 

このようなことから、主客分離を基盤にした現在の科学の他に、主客非分離を基盤とする「もう一つの科学」が必要になってくるのです。この「もう一つの科学」については、清水 博『〈いのち〉に自己組織』(東大出版会)で簡単に紹介されていますが、現在の科学が「生きている」ことしか取り扱えないのに対して、これまで分離されてきた〈いのち〉から出発して、居場所に「生きていく」ことを取り扱うことができるので、居場所と人間の関係や、人間の多様な主体性を考えていく上で重要なはたらきをして、真善美の世界を開拓していくものと期待され、現在の科学技術によって生まれた文明の穴を埋めていくと期待されます。これはもう一つの近代を創造することにもつながっていくのです。

今回の勉強会では、「もう一つの科学」の構造と「生きていく」ことの関係を考えました。

 

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前回も掲載しましたが同じキーワードが重要と考えます。

◎キーワード:

・存在しているもののことを「存在者」

・存在者が示す「活き」や「意味」を「存在」という。

・居場所は「存在者」としての空間であり、そこに生まれる

 「場」は「存在としての空間」である。

・「生命」は存在者が生きていることを示す「存在者の内的存在者」として考えられた概念。

・未来から始まる!地球から個へ!「場」からスタートする。

 

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■2019年4月の勉強会のご案内

4月も従来通り、第3金曜日に大塚の「場の研究所」で勉強会を開催いたします。

◎日時:2019年4月19日(金曜日)

 15時から19時30分までの予定です。(従来通り15時からワイガヤ的に議論を進めて17時より 勉強会を行います。)

◎勉強会テーマ:仮題「もう一つの近代の柱となる「〈いのち〉とその救済」について」をさらに徹底して考えてみます。

 

場所:特定非営利活動法人

 場の研究所住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3Email:info@banokenkyujo.org

参加費:会員…5,000円 非会員…6,000円申し込みについては、毎回予約をお願いいたします。

  (なお、飛び入りのお断りはしておりません。)

■編集後記今回も、15時から「存在」と「存在者」や「居場所」などを議論しました。そのつながりで、清水先生の勉強会での議論の「もう一つの科学」としての「生きていくこと」はわかり易くなったと思います。

 

4月は第3金曜日の4月19日に勉強会開催です。

是非、ご参加ください。

・・・・・・・・・・

なお、今年1月からトライレベルでスタートした「哲学カフェ」ですが、勉強会より軽い議論として進めてまいりました。

好評につき、正式に4月から多くの方の参加をお願いしたいと思います。

主旨は、1月のメールニュースに掲載した通りですが、再度お知らせします。

 

<告知>

場の研究所の哲学カフェ -「解くべき問題」の発見のために-

 

4月より「場の研究所の哲学カフェ」が始まります。

毎月第2水曜午後2時より。

次回は、4/10(水)14時からとなります。

テーマは「尊厳」を予定しています。

 

-場の研究所の哲学カフェは、各自の「解くべき問題」の発見や話題となった哲学を「自分の生活の哲学として使いこなせること」などを目的としています。また、哲学的な話ができる人々との出会いの場となることも期待する一つです。-

 

◎開催日時:毎月第2水曜日 14:00から17:00

◎場所:場の研究所(地下会議室) 

 特定非営利活動法人 場の研究所

 住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3

 TEL:03-5980-7222

◎会費:2000円

◎参加申込方法と詳細:

下記「場の研究所の哲学カフェ」ページをご覧ください。

また、参加申込は、同ページ申込フォームよりお申込ください。

https://www.banokenkyujo.org/cafe/

 

<場の研究所の哲学カフェについて>

哲学カフェとは、公開の場所で参加者同士が飲み物を片手に、選ばれた哲学的なテーマを自由に話し合うことだと言われているように、勉強会と異なって、それは公開の場所に自分自身の哲学を位置づけていく「〈いのち〉の即興的なドラマ」でもあるのです。

「日本文化は場の文化である」と言われながら、その場の文化を哲学的に捉えることができる人々が日本には非常に欠けています。

場の研究所の哲学カフェは、これから求められていく人々とその仲間を気軽な形で生み出していく場にもなろうとしています。

(所長:清水 博)

 

定非営利活動法人 場の研究所住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3電話・FAX:03-5980-7222Email:info@banokenkyujo.orgホームページ:http://www.banokenkyujo.org

 

 

場の研究所メールニュース 2019年03月号

このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、
「場の研究所」の関係者と名刺交換された方を対象に
送付させていただいています。
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場の研究所 定例勉強会のご案内 

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  ホームページ:http://www.banokenkyujo.org/ 

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「〈いのち〉を居場所に与贈して〈いのち〉の与贈循環を生み出そう」 

〈いのち〉とは「存在を続けようとする能動的な活き」である。 

                        (清水博) 

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■2019年3月のメールニュースをお届けいたします。 

 

◎2019年2月の勉強会は「場の研究所」で2月15日(金)15時から19時30分まで開催しました。15時からワイガヤ的に議論を進めて、従来通り17時より勉強会を行いました。

まず、15時からは、場の研究所文庫からかつて発刊した「転換期を生きる君へ」一部を印刷して、参加のメンバーで読みながら議論しました。これは2004年に清水先生が書かれたものですがその内容が現在でも十分当てはまるので、興味深く話し合いができました。

スタッフの小林さんの提案で、P104~109にある「存在の哲学」という項目の内容を中心に、彼の知りあいの方の体験を例にした「存在者と存在」についての考え方をみなさんでワイガヤをしました。身近にある、存在と存在者の課題や疑問を場の理論でなんらかのヒントをもらえることがあるように感じました。今回も完全理解を目的とするのではなく、このような考えに触れることから議論したので、有意義だったと思います。


●小林さんコメント:

とある友人とのやりとりで感じたことがありました。それは、私たちには一つの大きな思い込みがあるということです。その思い込みは、存在の話をしているつもりで、ついつい存在者について話をしてしまっているといったものです。例えば、ある問題が生じたとき、その存在者を変える為にどうしたらよいか、と考えてしまいます。しかし、問題の本質は、「存在者でなく、存在そのものを変えるためにはどうするか」ではないでしょうか、と清水先生はおっしゃいます。

 

今回、題材にした私と私の友人との往復書簡は、その具体的な例となっていたように感じています。そして、存在そのものを変えるためには「存在者としては別でも、居場所を共有すること」であるということが、やり取りの中から感じられたように思います。このことは、引き続いての勉強会のテーマに繋がるものであったと思っております。

 

 

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★17時からの清水先生による勉強会

仮題「〈いのち〉に立つと見えてくるもの」を予定していましたが、「生きていく存在の科学」というテーマでお話が始まりました。内容としては、東日本大震災の年に新潟県で開かれた林間学校での話から始まりました。「生きていること、生きていくこと」の違いを会場の人々に聞いたときに、皆がこたえられない中で、
たまたま福島から来ていた小学生がすぐ手を上げて、的確な回答をしたことを例に説明されました。ハイデッガーの存在と時間の話にも触れ、我々は時間を作りながら生きていくこと、その時間は、その人の未来へ向かう「存在のベクトル」のつながりであり、場の理論では、その形は場を「舞台」として人々が「役者」となって演じる即興的な「〈いのち〉のドラマ」の形をしていると話されました。

 

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テーマ:「生きていく存在の科学」

東日本大震災の年に被災者の中高生を対象にして新潟県で林間学校を開いたとき、そこに大人や子供たちもたくさん混じっていたので、予定していた話の内容を変えて、「皆さん!「生きていること」と「生きていくこと」がどう違うか分かりますか」と全員に尋ねたところ、大人や中高生が首をかしげる中で、福島
から来ていた小学生がすぐ手を上げて「「生きていること」は今のこと、「生きていくこと」には未来が必要です。」と答えました。これは「未来があってこそ、生きていくことができる」という真実が、原発の被害によって福島から失われたために、自分自身の体験によって、その本質を言い当てたものと思いました。
この「生きている」と「生きていく」の問題は現在でも福島で争われているばかりでなく、沖縄県の辺野古の埋め立てに対しても安倍政権と沖縄県民の間でおきている深刻な問題です。

 

人間は自分の存在の未来を居場所に託し、その居場所に生まれる場を「舞台」にして、「役者」となって「〈いのち〉のドラマ」を創出しながら未来に向かって生活していきます。その未来が存在しないということは、その「ドラマ」の舞台を奪われるということなのです。「舞台」があってこそ、人生に夢も生まれる
のです。主客分離の形をとっている現在の科学技術によって文明を進めていくことは、人々の主観的(主体的)な思いから離れて、客観的に「生きている」
ことのためだけを頭に置いて、主客分離的な空間やAIを発展させていくことが、「生きていく」ために必要な「舞台」となる〈いのち〉の居場所を消滅させて、人々からその未来(「役者」としての存在)を奪っていくことになっているのです。

 

このような近代科学の主客分離性の上に立って、人々の欲望にしたがって便利と所有を追い求めていくことによって生まれてきた空間や機能から、多くの人々の存在そのものがはじき出されて、その〈いのち〉の居場所を失いながら、主客分離的な空間や機能にすがりつくようにして生きていかなければならないという「存在の矛盾」が近年非常に明瞭になってきました。主客非分離の形の
〈いのち〉の居場所とその舞台を生成していく「生きていく」ための文明の形を人間自身が取り戻していく必要がどうしてもあります。

 

そのはたらきをしていくと期待させるのが、多様な人々が互いの存在がつながることを喜びにして集まる「市井の居場所」(Townの居場所)です。現代文明は空間から人々を追い出すようにして主客分離的な空間を自己組織的に広めて行く「空間の文明」ですが、この「Townの居場所」は機械化されたその
空間のその裏側で、人々が生きものとしての互いの存在に引かれるようにして静かに集まり、見かけの空間を越えて互いの存在の表現が自己組織的につながっていく「時間の文明」の萌芽です。

 

それは昆虫の幼虫の見かけの「空間的な形」の裏で静かに、多様な細胞の活きが自己組織しながら時間的につながっていくことによって進んで行く成虫への変態のようです。そのような空間から時間への転回がすでにあちこちに見られ、人々の気持ちを引きつけるようになっています。

 

◎キーワード:

・存在しているもののことを「存在者」

・存在者が示す「活き」や「意味」を「存在」という。

・居場所は「存在者」としての空間であり、そこに生まれる「場」は
「存在としての空間」である。

・「生命」は存在者が生きていることを示す「存在者の内的存在者」として
考えられた概念。

・未来から始まる!地球から個へ!「場」からスタートする。

 

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■2019年3月の勉強会のご案内

3月も従来通り、第3金曜日に大塚の「場の研究所」で勉強会を開催いたします。
◎日時:2019年3月15日(金曜日)
    15時から19時30分までの予定です。
(従来通り15時からワイガヤ的に議論を進めて17時より 勉強会を行います。)

◎勉強会テーマ:
仮題「時間の自己組織と〈いのち〉のつながり」をさらに徹底して考えてみます。

 

場所:特定非営利活動法人 場の研究所
住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3
Email:info@banokenkyujo.org

参加費:会員…5,000円 非会員…6,000円
申し込みについては、毎回予約をお願いいたします。
  (なお、飛び入りのお断りはしておりません。)

■編集後記
 今回は、15時からは「存在」と「存在者」や「居場所」などを議論しました。著書「転換期を生きる君へ」の紹介もあり、認知症などを含めた介護の現場での悩みにおける考え方についても良い議論ができたと思います。

さらに、清水先生の勉強会での理解が深まったと思います。

3月は第3金曜日の3月15日に勉強会開催です。是非、ご参加ください。

 

なお、「転換期を生きる君へ」の著作は、オンデマンドで入手可能ですので、購入希望の方は、HPの出版物を検索のこと。

・場の研究所文庫VOL.1「転換期を生きる君へ」清水博(著)

オンデマンド印刷:111ページ

出版社: 博進堂(オリジナル 2004/10/30)

>> amazon.co.jp

>> 楽天ブックス

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定非営利活動法人 場の研究所
住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3
電話・FAX:03-5980-7222
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場の研究所メールニュース 2019年02月号

このメールニュースはNPO法人「場の研究所」のメンバー、
「場の研究所」の関係者と名刺交換された方を対象に
送付させていただいています。
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場の研究所 定例勉強会のご案内 

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  ホームページ:http://www.banokenkyujo.org/ 

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「〈いのち〉を居場所に与贈して〈いのち〉の与贈循環を生み出そう」 

〈いのち〉とは「存在を続けようとする能動的な活き」である。 

                        (清水博) 

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■2019年2月のメールニュースをお届けいたします。 

 

◎2019年1月の勉強会は「場の研究所」で1月18日(金)
15時から19時30分まで開催しました。15時からワイガヤ的に
議論を進めて、従来通り17時より勉強会となりました。

まず、15時からは、スタッフの小林 剛さんが中心となって、
NHKの「100分で名著」という番組テキスト「スピノザ・エチカ」

の内容を具体的な内容を一部紹介しながらワイガヤを行いました。

350年も前のオランダの哲学者スピノザが書いた著書「エチカ」

には「自分の存在について」の考えが書いて有り、主に

スピノザの主要概念である「コナトゥス」(ラテン語)に
ついて議論しました。この言葉は、直訳すると「努力」という

意味ですが、彼の考えでは、もっと存在に重きを置いていて、

「自分の存在を維持しようとする力」という意味です。

この概念は、清水先生の〈いのち〉に近い概念ということも
あり、勉強会でも紹介することにしました。今回も小林 剛さん
からは、完全理解を目的とするのではなく、このような考え

に触れることから始めることしました。


●小林さんコメント:

「解くべき問題」の発見のために。

テキストに書いてあることが「よいこと」であるとか、「ために
なる」とか、「思考の縛りを解き放つヒントが満載だ」とか、
そういう話にしたくないなぁと思いました。

今、自分自身が、ほんとうに困っていることや考え続けている
ことと、テキストに出てくることばを結びつけたとき、自分の
中に何が起こるのか、そういう話ができたらいいな、と思い
ました。

 

例えば「コナトゥス」。

自分の存在を維持しようとする力、のこと。

これをことばで理解するのではなくて、自分のコナトゥスが
感じられた体験って何だったろうか?あっただろうか?

そういうことを具体的に話して、そして、聞くことで、改めて
経験として振り返りあう時間を心がけました。

この話し合いの時間が、(それぞれ)自分にとって、解くべき
問題の発見の手がかりとなったらいいなぁと思っています。

 

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★17時からの清水先生による勉強会

12月に議論した、場の思想をよりわかり易く説明していきたい

ということから「場をめぐって」という内容につづき、仮題
「時間の共創」を予定していましたが、「〈生のOS〉に立つ」

というテーマでお話が始まりました。内容として「時間と共創」
についても触れています。

前回、場の理論では、即興的な〈いのち〉のドラマの形を具体的
な形をしたモデルとして「おでんモデル」が説明されましたが、

〈いのち〉のドラマが大変分かり易くなったことを踏まえて、
もう少し論理的な説明がされました。

 

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テーマ:〈生のOS〉に立つ

デカルトの「我思うゆえに我あり」から始まって、我とそれ以外
の自然をどう見るかということが議論になっていきました。
「生」というものは、我と自然をデカルトのように分離しないで
共に含むものですが、これが〈いのち〉の科学の出発点ですが、
スピノザの考えは我と自然をその内部とする無限に大きな神
から出発したために、これと実質的に近いのです。

 

デカルトの分離的な思想の上に科学が生まれて、近代文明の
骨格をつくって来たために、科学技術が発展していけばいくほど、
人間の存在は自らつくった近代社会から追い出されていきます。
皮肉な見方になりますが、人々をできるだけ多くその〈いのち〉
の居場所から追い出していく科学技術を進化発展させることに
よって、現代の国家や経済は発展していくのです。この方向を
どう見直すかが重要です。

 

近代科学の主客分離性が人間の生活に徹底していくのが、

現在我々が生きている社会だと思います。この主客分離性の上
に立って、人々が求める自己の便利と所有がつくり出してきた
空間や機能から、主体自身がはじき出されて本来の居場所を
失いながら、その空間や機能にすがりつくようにして生きて
いかなければならないという存在矛盾があります。

 

そこで、現在、人間に残されている自由度としては、この
主客分離的な文明の流れから、個人が転げ落ちるようにして身
を外してその居場所を見出して、その主体を回復することだけ
であり、そして次にそのように主体性を回復した人々がつながる
ことです。その本質は文明が創り出してきた空間を超えておこ
なわれる「時間の共創」なのです。

 

デカルトから始まる主客分離的なOSとは異なった「生」その
ものに立脚した主客非分離的なOSとしてのスピノザの哲学の
解説としては、ドゥルーズ『スピノザ 実践の哲学』(平凡社)
がおすすめだと思います。そう思うのも、また生きものをモノ
から理解しようとするデカルト主義的な現代の生命科学に対して、
生きものを「生」から出発して理解する目的で、その出発点
としての〈いのち〉(存在を継続して行こうとする能動的な活き)
が発見されて、そこから「〈いのち〉の科学」が考えられてきた
からです。この〈いのち〉がコナトゥス(本質=自分の存在を
維持しようとする力)に結びつけて世界を深く理解しようとした
スピノザのOSと本質的に共通しているからです。

 

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〈いのち〉に立つということは、社会の原理に立つと言うこと
ではありません。人間の社会を超えて、もう一歩深く生の世界
へ進み、生きものの生の原理に立つということです。その深さ
まで進んだときに、〈いのち〉という存在を継続していこうと
する生きものとしての能動的な活きに出会うのです。人間にも
〈いのち〉があるように、その人間を構成している莫大な数の
細胞にもそれぞれの〈いのち〉があるのです。

 

〈いのち〉がその生きものの存在を継続していこうとする
能動的な活きであると考えることは、(これまで論じてきた
ように)存在の四次元空間のなかで未来への方向性をもって
能動的に活くことを意味していますから、〈いのち〉はこの
四次元空間におけるベクトル的な方向性のある活きであると

いうことを意味しています。

 

そこで問題になるのは、ある一つの存在空間に二つの生きもの

がいるときに、その「〈いのち〉のベクトル」の間にどのような
関係が生まれるかということです。その〈いのち〉のベクトルが
互いに逆方向に向いている生きものが同じ場所に存在すれば、
生きものは生存競争をすることになります。しかし人間を構成
している細胞たちのように、その〈いのち〉のベクトルが同じ
方向に向いているなら、人間という存在の居場所をつくって
一緒に生きていくことができます。

 

混み合う駅のプラットフォームから出口へ向かうエスカレータ
に乗るときに、人々が外から行列に割り込んでくるのをある
程度許しているのは、居場所の〈いのち〉のベクトルに、個体
としての自己のベクトルを合わせて、プラットフォームという
居場所にける矛盾的自己同一「一即多、多即一」をつくっている
のです。

 

しかし、そのようにしてプラットフォームに自己組織される
時間的秩序を無視するように、横から自分の直前に突然割り
込んでくる人に対して怒りを覚えるのは、自己の〈いのち〉の
ベクトルが否定されることに対する自己の〈いのち〉の反応では
ないかと思われます。つまりこのことは、莫大な数の細胞たちの
〈いのち〉のベクトルを、矛盾的自己同一的に統合して、私と
いう生きものの〈いのち〉のベクトルが生まれていることを意味
しているのです。そのベクトルの方向が否定されるのです。

 

また、このように、居場所全体に「〈いのち〉のドラマ」が
時間的秩序として自己組織されているかどうかを、居場所に
矛盾的自己同一が成立しているかどうかの判断に使うことが
できるという話がなされました。

 

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■2019年2月の勉強会のご案内

1月も従来通り、第3金曜日に大塚の「場の研究所」で勉強会
を開催いたします。
◎日時:2019年2月15日(金曜日)
    15時から19時30分までの予定です。
(従来通り15時からワイガヤ的に議論を進めて17時より
 勉強会を行います。)

◎勉強会テーマ:仮題「〈いのち〉に立つと見えてくるもの」を

実施いたします。

 

場所:特定非営利活動法人 場の研究所
住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3
Email:info@banokenkyujo.org

参加費:会員…5,000円 非会員…6,000円
申し込みについては、毎回予約をお願いいたします。
  (なお、飛び入りのお断りはしておりません。)

■編集後記
 今年はじめての勉強会でしたが、15時から行ったスピノザの
著書「エチカ」の紹介もあり、勉強会での理解が深まったと
思います。また、清水先生からは、より具体的な説明があり
わかり易かったと感じました。
 2月は、基本的に続きとなりますが、先行して15時から、

勉強会の先行議論をする話も出ておりまして、そこで理解が
しにくい点などを明確にして、勉強会でさらに、深く議論する
ことを考えています。2月はそれを試行しようと思います。

 

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定非営利活動法人 場の研究所
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場の研究所メールニュース 2019年01月号

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場の研究所 定例勉強会のご案内 

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  ホームページ:http://www.banokenkyujo.org/ 

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「〈いのち〉を居場所に与贈して〈いのち〉の与贈循環を生み出そう」 

〈いのち〉とは「存在を続けようとする能動的な活き」である。 

                        (清水博) 

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■2019年1月のメールニュースをお届けいたします。 

 

新年あけましておめでとうございます。

 

今年も皆様のサポートを頂きながら勉強会をはじめとする

イベントを開催していきたいと思います。

また、メールニュースを今後も配信させていただきますが、

これと合わせホームページにも情報を掲載してまいります。

特に、メールニュースの内容をシンプルにして、ホームページ

に詳しいコンテンツを紹介していくことも検討中です。

当面は、どうしても参加できない方にも配慮して、勉強会の

内容をある程度お届けするように考えており、少々長い内容に

なる場合がありますのでご理解いただければと思います。

 

◎2018年12月の勉強会は「場の研究所」で12月21日(金)

15時から19時30分まで、開催しました。15時からワイガヤ的に

議論を進めて17時より勉強会となりました。

 

まず、15時からは、ハラスメントを含めて、場の理論のワイガヤ

を開催、新年からスタートしようとしている「哲学カフェ」の

内容の在り方や議論のやり方などの相談を実施しました。

今回もスタッフの小林 剛さんと前川理事が中心なって推進いた

しました。

 

ここで、哲学カフェのコンセプトを概略紹介します。

当初は小グループにて開催して、正式には4月から参加メンバー

を拡大していきたいと考えています。

正式に開催できるようになりましたらご紹介します。

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・場の研究所の哲学カフェについて(所長:清水 博)

哲学カフェとは、公開の場所で参加者同士が飲み物を片手に

選ばれた哲学的なテーマを自由に話し合うことだと言われて

いるように、勉強会と異なって、それは複雑な世界の動きを

理解しながら、自分自身の哲学を公開の場所に位置づけていく

「〈いのち〉の即興的なドラマ」でもあるのです。

「日本文化は場の文化である」と言われながら、その場の文化を

哲学的に捉えることができる人々が日本には非常に欠けています。

場の研究所の哲学カフェは、これからの時代にそれを求めていく

人々とその仲間を気軽な形で生み出していく場にもなろうとして

います。

 

テーマ:「世界はどこへ向かっていくのか?」

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★17時から、清水先生から場の思想をよりわかり易く説明して

いきたいということから「場をめぐって」という内容でお話を

していただきました。先生の体調が今一つでしたので最初の説明

をされた後は、参加メンバーと議論していく形で推進しました。

 

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場をめぐって

 

場の理論は即興的な〈いのち〉のドラマの形をしていますので、

やや抽象的で理解しにくい面がないとも言えません。そこで、

具体的な形をしたモデルとして「おでんモデル」を入口において、

〈いのち〉のドラマを理解することを考えて、哲学カフェで

それを話してみる準備をしてきたので、清水所長がそれを少し

紹介しました。果たして、それを聴いた人々の反応はとても分かり

易いということでした。

 

この「おでんモデル」では、おでんの鍋が居場所(劇場)、おでん

の汁が場(舞台)、おでんの多様な種が人々(役者)に、味が

〈いのち〉に相当します。

種から汁に味が出ることが〈いのち〉の与贈に、また汁の方から

種に味が与えられるのが居場所の〈いのち〉の与贈です。

したがって種と汁の間の味の循環が〈いのち〉の与贈循環に相当

します。なお、様々な種から出た味が汁の中で混じり合って一様に

なることが、与贈された〈いのち〉の自己組織に相当します。

 

おでんが煮えているときには、種の方からも味が出て汁に与え

られ(与贈され)、そして汁→種→汁→種→・・・・という汁と

種との循環的な味の与え合い(与贈循環)がおきて、多様な種の

味は汁の味を媒介にして、互いに(非分離的に)つながって

深まっていきますが、これが〈いのち〉のドラマに相当します。

 

このモデルでも、一種類の種だけでは、おでん料理が作れない

こと(〈いのち〉のドラマが生まれないこと)が分かります。

またおでんには多様な味の種がそれぞれおでんに存在している

意義(根拠)があることも分かります。

 

鍋料理のうまさの秘密は汁にあります。その汁に相当するのが、

先ほど触れたように、場です。場としての汁は、好き嫌いを

言わずに、多種多様な種をすべて包んで、その種に味を与えます

(与贈します)。その味の包容力に相当するのが場がもっている

〈いのち〉の自己組織力です。

 

日本の場の文化は、このような場の活きを活用して生まれた

文化です。日本では、場の活きによって、人間の間ばかりで

なく、人間と自然(環境)とが〈いのち〉の与贈循環によって

つながって生きていく独特な生き方を生み出してきたのです。

このような生き方こそが、今や人間が地球という居場所に住み

続けるために必要になっています。

 

以上

 

影山知明氏による『続・ゆっくり、いそげ』という興味深い本

が出版予定で、その一冊が氏から先行して私に送られてきました。

その中に「おでん理論」と称して、私の「おでんモデル」に

かなり似た考えが紹介されています。私がそれを知ったのは、

私が「おでんモデル」を紹介した後でしたが、私がこの本を受け

取ったのは、その前でした。たまたま二人の考え方が一致した

現象をご縁として、今後も発展的な関係を続けていきたいと

願っています。(清水 博)

 

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■2019年1月の勉強会のご案内

1月も従来通り、第3金曜日に大塚の「場の研究所」で勉強会

を開催いたします。

日時:2019年1月18日(金曜日)

   15時から19時30分までの予定です。

(従来通り15時からワイガヤ的に議論を進めて17時より

 勉強会を行います。)

 

勉強会テーマ:仮題「時間の共創」を実施いたします。

 

場所:特定非営利活動法人 場の研究所

住所:〒170-0004 東京都豊島区北大塚 1-24-3

Email:info@banokenkyujo.org

 

参加費:会員…5,000円 非会員…6,000円

申し込みについては、毎回予約をお願いいたします。

  (なお、飛び入りのお断りはしておりません。)

 

■編集後記

新年がスタートし、今年も色々なイベントを計画して参ります

のでご参加のほどよろしくお願いいたします。

なお、「哲学カフェ」

なるものをスタートします。これは、勉強会とは違い、気楽に

議論できる場を創ろうという清水先生の案ですが、一部の

メンバーでまずは初めて、軌道に乗ってきましたら、会員その他

の皆様へも参加のお願いをしたいと思います。

 

1月は18日に従来通りの「場の研究所」での勉強会を計画して

おります。先行トライの「哲学カフェ」での議論の内容の紹介も

勉強会の中で行いたいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。

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